Book

□【07 学園祭前夜】
1ページ/1ページ

【07 学祭前夜】

「ともの学校、明日学祭だろ?」

かなの部屋でゴロゴロしてた時にいきなり話しかけられた。

「そうだよ?なんでー?」

「刹那とか連れて遊び行くわ。」

おいおい急だな。
毎日会ってるんだから前もって言ってくれてもいいのに。

「え?急だな。」

思ったことをそのまま口にする。

「今日、学校で刹那と話してたらそーゆう流れになった。あと、兄貴のバンド姿見るのもラストだろうし。」

唄ちゃんは保育系の学校に進学する。
そのため、音楽活動は高校で最後にするらしい。

「それ萎えるから言わないでよ。唄ちゃんと音楽できるの最後とかマジで悲しいんだから。」

唄ちゃんの技術なら1人でも他のバンドでもやっていける。
でも唄ちゃん本人が保育の道に専念したいというから仕方ない。

「もしかしたら蛍とかも友達連れてくるかもって。」

マジかよ。
気が進まない。
それもそのはず、私のクラスはメイド喫茶をやる予定で私は調理場担当が良かったのに、えみちゃんが男ウケいいからという理由でメイドをやることになってしまっている。

「とものクラスなにやんの?」

タイムリーで話題を振ってくる。

「え、教えない。てか、教えたくない。」

かなにメイド姿を見られるのが少し恥ずかしくて来ないでほしいと思った。

「は?なにそれ、余計気になるわ!言えよ〜〜」

なんかテンション高い、かな。
うわ、めんどくさ。

「来なくていいから。」

テンション低めに答える。

「いや、行くっしょ。」

結局ジャンケンで負けたら教える流れになり、案の定ジャンケンに負けた。

「・・・喫茶。」

「なに?聞こえねぇ。」

「だから!メイド喫茶!!」

かなが爆笑する。
想定内だけどむかつく。

「なに?とも、メイドやんの?ちょー行くわ(笑)」

日本語おかしいしなんなんだよこいつ。

「いや来なくていいから。バンドだけ見に来なよ。」

「行くに決まってんじゃん、刹那に連絡しとこー(笑)」

まだ笑ってるかなにパンチする。
屈辱。

「いった。お前、おかえりなさいませ奏様。って言えよ(笑)」

ふざけんなマジで。

「奏って名前の人出禁にしとこ。」

「お前それは全国の奏に謝れ。」

あー、明日が憂鬱になってきた。
しかも刹那くんにも見られるのか。
明日1日もつかな、私のメンタル。



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ