Book

□【04 バンド】
1ページ/1ページ

【04 バンド】

「とも!!俺とバンド組もうぜ!」

正直に、何言ってんだこいつって思いました。
でも今思えば、かなのその一言のせいで良くも悪くも私の人生は大きく変わっていったんだと思います。

「かなちゃんはバカなの?あ、バカだよね。ともが学校で唄ちゃん達とバンド組んでんの知ってるでしょ?それに2人じゃバンドにならないじゃん。」

私は高校で軽音楽部に所属してる。
そこでかなのお兄ちゃんの唄ちゃんと他のメンバーとバンドを組んでいる。

ちなみに私はベースボーカルでわりと校内では人気なバンドだ。

「兄貴とのは部活だろ?それ以外にもう1つ俺らのバンド作ろうって言ってんの。」

「俺らのバンドって。まずメンバーメンバーがいないし、それにどこで活動するの?」

かなは唄ちゃんの影響で昔から音楽が好きでバンドを組みたがっていた。
かなも高校に入って軽音楽部に所属していたが先輩に恵まれず、あまり楽しく音楽ができないという理由で辞めてしまった。

「お前、刹那に会っただろ?あいつキーボードできんだよ!」

そういえば刹那くんに会った話をかなにするのを忘れていた。

「あ、刹那くんキーボードできるんだ。それより!ともがベース。かながギター。刹那くんがキーボード。肝心なボーカルとドラムは?」

待ってましたみたいな顔をしながらかなが、

「それが刹那の中学んときの友達にバンド組みたくてドラムやってるやついんの!これはもう、組むしかないっしょ!」

「…とも、歌わないよ?バンド掛け持ちで両方ともベースボーカルとか無理だから!」

「はー、言うと思ってた。とも歌わないんなら俺が歌う!俺がギターボーカルやるわ!で、ともコーラスだけやって。」

本当に強引なやつだな。
やるって決めたらとことんやるやつだから諦めモードになる。

「わかった。だけど条件がある。刹那くんはいい子だからいいけど、そのドラムの人に会ってみてから決める。相性悪かったらいい音楽なんでできない。楽しめない。」

バンドを組むということはかなりの時間を共に過ごすわけになる。
それなのにメンバー内に気の合わないやつがいたらバンドは解散する。
そう思ったから素直な気持ちを話した。

「わかったよ。じゃあ明日の放課後、俺ら4人でミーティングな!?それでいいだろ?」

かなも私が納得しないと意味がないと思ったのかすんなりと受け入れた。

「明日の放課後ね。了解。刹那くんとそのお友達にちゃんと了承得るんだよ?」

「それくらいわかってるって。」

明日の放課後か。
わりと早くに話が進んでるなと思い、でもそれが私ららしいなとも思った。


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ