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□キミはボクをしんじていたのに
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99年世紀末。


00年へ向けて世界中が浮き足立っている


僕たちも出すシングル出すシングル
1位を取っていて

自分の番組なども順調に進み

周りからは「社会現象」などと
冷やかされたりもしている


自分にはその自覚があまりない。


でも昔から休む暇もなく働いているし

それが結果として残っているのなら
それは嬉しい事で。




壊れそうで壊れない

まだ大丈夫だと言い聞かせる





あるひとは涙を浮かべながら

「ワタシの知ってる剛くんじゃなくなっちゃったね…」

と言った




あるひとは微笑みながら

「お前は変わらんな」

と言った。




キミも僕も 

苦しい思いをしてるくせに





どこからどこまでが自分で

どこからどこまでが自分じゃないのか



潰されそうになりながら

必死にかわしながら



キミはつよいね

そのつよさがたまにニクい


キミが笑って振り返ってくれるから

僕の心は軽くなるのに




「こういち」




不器用に名前をよぶ

若さってこわいな


こんなにも人を簡単に好きになってしまう




"つよし?"

その名前

おまえだけに呼ばせたる。


"剛、どした?"



僕、怖いねん。

明日になるのが怖い

明日になったら全部が無くなりそうで




空っ風にかき消されそうな声で

「キミだけは無くならんといてな」


と、呟いた


『オレは消えたりせぇへんよ』


すこし悲しそうな
頼りなさそうな笑顔で


『剛だって俺の前から居なくなったりせぇへんやろ?』




なぁ僕な、君がおってくれたら、

今の所、生きていけそうやねん。

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