なつみかんに25のお題
□黒髪に赤い瞳
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蛍目線
黒髪に赤い瞳。
その人は蜜柑の好きな人ーーー。
「蛍……あんな……」
蜜柑は突然、言ってきたわ。
顔を真っ赤にしながら……………。
「何よ。蜜柑。」
私が聞くと蜜柑は意を決したように拳を握りしめて口を開いた。
「ウチ…。棗のことが好きや……」
蜜柑の告白に少し驚いたけどもう分かりきっていることだったわ。
顔を真っ赤にして言う蜜柑はとても可愛かった。
でも、その顔は棗君を思っている顔だったから嫌だった。
初めて棗君に負けた気がしたわ。
「だから………………？」
自然と声のトーンが落ちる。
「蛍……どうすればえぇ？」
蜜柑は瞳を潤ませながら言った。
「告白……すれば？」
思っていることと真逆の言葉が出た。
蜜柑………私こら離れないで………
「う、ん………」
蜜柑はなおも顔を真っ赤にしている。
私達がこんな話をしている時だった。
「な、棗君……! 付き合って下さい！」
可愛い声が響いた。
もちろん、その声は蜜柑にも聞こえたわけで……。
声がした方を向くと棗君が女の子に告白されていた。
結構可愛い子。
「うるせぇ。お前とは付き合いたくない」
なのに棗君は振った。
蜜柑はそれを見て呆然とした。
「あんなにかわぇぇのに……」
そして直ぐに悲しそうな顔をするの。
私は耐えかねて言った。
「まだ分からないじゃない。早く言わないと本当に棗君、取られるわよ？」
その言葉に蜜柑は反応した。
「う、うん！言ってみる！」
蜜柑は棗君のもとに走って行った。
蜜柑は顔を真っ赤にしながら棗君に告白している。
すると棗君が蜜柑にキスするのが見えた。
どうやらOKだったようね。
棗君に負けたわ。
蜜柑の事、これからよろしくね。
棗君……。
泣かしたら殺すから。