なつみかんの部屋
□勘違い
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みんな〜!
今日はなんの日か知っとる?
今日はなんと、初等部B組に転校生が来るんや♪
楽しみ〜〜!
「皆〜!転校生を紹介するね♪」
いつものキモい口調でナルが登場。
ナルの後ろには可愛い子がいた。
転校生の子だ。
その子は真ん中に立つとペコッと頭を下げる。
「私の名前は羽石光です。よろしくお願いいたします!」
短い髪だがとてもサラサラだ。
クラスの男子は歓声を上げる。
そんな時だった。
「光……………?」
蜜柑の隣の席の人か声を上げる。
「あ!棗じゃーん♪久しぶり」
光は棗を見ると嬉しそうに駆け寄る。
「棗…光ちゃんと知り合いなん?」
蜜柑が不安げに聞く。
「あぁ…幼馴染みだ。」
「よろしくね♪」
めんどくさそうな棗を他所に光は又蜜柑に頭を下げた。
その日は光は異常なほど棗にくっついていた。
しかも棗はそれに抵抗しなかった。
蜜柑はドンドン不安が募っていく。
(光ちゃんは棗の事が好きなんや…棗はウチと付き合ってるけど光ちゃんには敵わん気ぃする…。もし棗が光ちゃんの事好きになったらどうしよう…)
そんなある日、遂に蜜柑は見てしまった。
光が棗の部屋に行き、棗は嬉しそうに光を部屋に入れるところを……
(棗…ウチ以外の女の子は部屋に絶対入れんって言ってたんに…)
自然と足が棗の部屋に向かう。
そして蜜柑はドアを思い切り開けた。
「み、蜜柑!?」
棗は少し驚いていた。
それに構わず蜜柑は棗に言った。
「光ちゃんの事が好きなんやね…棗…ウチの事はいいから光ちゃんと幸せに」
蜜柑は泣きながら棗に言った。
「は?お前なに勘違いして…」
棗の言葉を無視して蜜柑は部屋を飛び出した。