短編

□White Day.
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朝起きたら、横に彩ちゃんがおる。

彩ちゃんはベッドの上で私に腕枕しながら私に抱きつき足を絡めながら寝てる。

いつもどうり口開いててあほみたいな顔してるけど。

でもそんな顔でさえ愛おしい。

今日は2人共公演も仕事もないさらゆっくりできるねん。

ほんま彩ちゃんのまつ毛って長いな。寝顔は可愛いくないけど。

白いほっぺに触れてみる。
まるでマシュマロみたいや。

「….ん…美優紀?なにしてんねん?」

ほっぺをムニってやったら痛かったんか彩ちゃんは起きた。

それでも触ってたくてずっとムニムニする。

「んー。気持ちいい」

「ふぁー、眠た。水とってこよー」

大きいあくびを1つしてたちあがろうとする

けど今日は離れたくなくて腕を引っ張り布団に入れた

「どしたん?」

「今日は離れたくない」

「なんや今日は甘えたやな」

「いや?」

「いやなわけないやろ」

「あっでもあんま顔みやんといて」

「なんで?」

「…スッピンやもん。可愛ない」

「美優紀は美優紀やし。化粧しててもしてなくても可愛いよ」

「…キザ」

「うっせ」

あっそーいえば今日は世間一般ではホワイトデーや。

バレンタインは彩ちゃんのために甘さ控えめのやつ作ったから期待しててんけどなー。

彩ちゃんそーゆうの鈍感やからないやろな。

一応聞いてみるか。

「なー彩ちゃん、今日何の日?」

「今日?んー…今日やろ?」

「今日はホワイトデー!忘れてたやろ?」

「あー…うん、そっか。ホワイトデーか。忘れてたわ」

忘れてたちゃうやろ!
って言いたいとこやけど喧嘩したないから

「もー。じゃあ今日お買い物行って…...」

「なー美優紀。ちょっとトイレ行ってくるわ」

そう言ってトイレに行った。

なんなん。会話の途中やで?

もーいい。
諦めて寝ようと思って彩ちゃんの方に背を向けたら物音がした

「美優紀」

「なによ」

「こっち向いて」

「いや」

いやとは言ったものの、ちょっと可哀想になってきたから
ベッドに座って少し振り向いてみた

「はい、ハッピーホワイトデー」

後ろには彩ちゃんがおって目の前に小さなバラの花束があった。

小さくて可愛い。
彩ちゃん、ちゃんと覚えてたんや。

最近忙しいのに、やるやん。

「…可愛い」

素直に出てしまった言葉に少し恥ずかしくなって

下を向いたら肩を叩かれてそのままキスされた。

キスした瞬間口に広がるビターチョコの味。

苦いのに甘い。

たぶんそれは彩ちゃんの口移しやから。

長いキスが終って目を開けたら、優しく笑う彩ちゃんがおった。

「…どう?美味しかった?」

「どうせなら、甘いチョコがよかった」

「私からの口移しで苦いチョコも甘なるやろ?」

「なぁチョコもっと欲しい」

口移しのチョコがもっと欲しくなって欲求したら

彩ちゃんは持ってた花束を指差す

なんやろう。

そしたら彩ちゃんは花びらを一枚づつ剥がしていったけど
それは花びらじゃなかった。

ただの銀紙。

お花やと思ってた花束がチョコやって彩ちゃんは一口で口に含んでもう一度私にキスしてきた。

「….んふぅ…んっ…...はぁ」

「…うまかった。ごちそうさま」

「….覚えとったん?」

「当たり前やから」

「口の中めっちゃ甘い。なぁ水とって?」

「はい」

1回口の中の甘ったるいのを水でリセットする。

けどリセットできたけどまた彩ちゃんが欲しくなってきた。

「なぁ彩ちゃん。もっかいちょうだい?」

「ええよ。今度はもっと甘いのな」

目を閉じて待ってたら彩ちゃんの唇が私の唇に触れる。

また甘いのが入ってきた。

けどさっきとなんか違う。

ん?なんかやたら甘い。
チョコじゃないし、物体が私の口に入ってこやん。

チョコやと思ってたのに、彩ちゃんの舌と一緒に小さいものが口に入ってきた。

あっわかった。アメや。

「…っ….さや…...かちゃ!
…っはぁ」

チョコよりも溶けにくいから溶かすのに時間がかかって息が止まるかと思った。

けど私が好きなアメ。
知っててくれてたんや

「…もうっ彩ちゃんのバカ」

「でも美味しかったやろ?」

「そりゃ….好きなアメやし?」

「えーそれだけ?」

「彩ちゃんが好きやから余計に甘なったわ!」

「よく言えました」

彩ちゃんは私の頭を優しく撫でて機嫌とって

すぐそーやって子供扱いするんやから。

「子供扱いしやんといて!」

「はいはい。美優紀、身体は大人やもんな?」

彩ちゃんは一瞬で私の身体を押し倒した。

彩ちゃんの髪がほっぺに触れてくすぐったいのにいい匂いがする。

くすぐったくて笑ってたら彩ちゃんが笑ってきた。

「なにわろてんねん」

「だってくすぐったいんやもんー」

「もっかいチョコ食べさせたろか」

「食べたい」

「…やっぱやめとく。
先にもっと甘くて美味しいの食べる
美優紀は食べられへんけど」

「なにそれ。なに食べるん?」

「…美優紀」

彩ちゃんは私の首筋に顔を埋めてキスマークをつけた。

あっ明日撮影やのに。

「ちょ、彩ちゃん。明日撮影」

「化粧でなんとか隠して」

余裕そうな顔をする彩ちゃん

その余裕が悔しくて私の服を脱がしてる彩ちゃんの頬を両手で挟んでキスをした。

「その余裕、崩していったるわ」

「どうやって?」

「美優紀さ、ホワイトデーにあげるアメの意味、知ってる?」

「知らん」

「''あなたが大好きです''」

元からない余裕を、その一言だけで崩されていくのがわかった。
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