長編

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それから美優紀は学校にこやんくなった。

1日、2日、3日。

来やん日々が続く。

やっときたのは一週間後やった。

やっときた美優紀は少しやつれてた

ちゃんと話したい。

やのに、

「…みゆ」

『けいっちー。
休んでた分のノート見してー』

完全に無視される。

俺は、どーすればいいんやろう

『…彩?』

山田…。

このまま山田の隣に居続けていいんやろか?

気持ちもないのに
山田を縛ってていいんか?

『なぁ彩。どうしたん?』

「…なんもない」

今日山田に家で言われた。

なんで気づけるんやろ?

『何もないようには見えやんねん。
なんかあったんやろ?』

「…なんもないって」

『…なぁ私に話してや。
私だって……』

「…なんもない、大丈夫や。
俺の事はべつに放っておい…」

ついイライラしてしまって
淡々とした口調になってしまう。

『…なんもないわけないやろ!』

「……えっ?」

『…そんな暗い顔して眉間にしわよらせてどこが大丈夫なん?
なぁ彩。この前から考えごとばっかでぼーっとして。
私、彩の彼女やで?私にだって…
心配かけさせてよ』

『私、彩の1番近い人になりたい。
私には彩みたいに辛い過去が
あるわけじゃないし、本気で死にたいと思った事もないから
彩の気持ちなんかわからんかも
知らんけど、
私は彩の重荷にはなりたくない。
彩の過去の人になってもいいけど、彩の重い鎧の一部になりたくないねん。
だから、彩の思ったことしたいことをすればいいと思う。
もしかしたら彩が話してくれた事が
私を傷つけるかもしらん。
けど、人間何かをすれば誰かが
傷つく。
だれも傷つかん事はないねん』

重い鎧。
俺の過去は俺にとって重い鎧。
苦しくて辛い過去。
それになりたくない

そう言いたいんか。

山田が初めて怒った。

初めて怒鳴られた。

でも山田の言う通りなんかも知らん

傷つけるの怖がってどうすんねん

男やったら向き合え。

山田とも美優紀とも。
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