長編
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「もー彩ちゃん遅いー!
やっぱり迷子なってたん?」
30分くらいしてやっと帰ってきた彩ちゃん。
いつもみたいに冗談言ったのに、彩ちゃんは俯いたまま答えてくれへん
どうしたんやろ。
「….彩ちゃん?」
「……..あ、ごめんごめん。
はい、買ってきたで」
あれ?
聞こえてなかったんかな?
両手に持ってたジュースを差し出す彩ちゃんの目がどこか哀しげやった
どこかいつもと違う。
その日から、彩ちゃんの行動は変わった
毎週同じ曜日にまーちゅんの病院に行く
しかもその日ある時間になったら部屋を出て行くらしい。
私がついていった時も毎回そうやった。
トイレ、ジュース、電話。
いろんな理由をつけて部屋を出ていく。
「なぁ里香ちゃん、最近彩ちゃんおかしない?」
「んー確かに。最近練習にも顔ださんし」
「菜々ちゃんやったら何か知ってるかなー」