+ Long Story +
□第3章
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第12話「ボクシング」
-----時の流れとは早いもので、あれから1ヶ月が経った。
『そういえば宮田くんって体格いいよね。何かスポーツやってるの?』
ふと頭に浮かんだ事を聞いてみた。制服を着ていると細身、に見えるがやはり通常よりは筋肉が付いている。これでスポーツをやっていない様にはとても見えなかった。
「ボクシングだけど。言ってなかったか?」
私はそれを聞いて驚いた。こんなに綺麗な顔をしてボクシングなんて危険なスポーツをやっているなんて…
『ボクシングって…あれだよね?』
右、左、と拳を前に突き出しては空を殴る素振りをしてみせる。
「結構楽しいんだぜ、お前もやってみるか?」
『え″…うわ…!』
シュ、と鋭い宮田くんのパンチが私の顔の横を通り抜ける。その瞬間、反射的にギュッ、と目を瞑った。
「…なんてな。可愛い顔に傷なんて付けるもんじゃねえぜ?」
そう言うと彼はポン、と私の頭に手を置いた。宮田くんは何気なく言ったであろうその言葉に私は一発KOだ。
『でも…ボクシング、興味あるかも』
今まで触れたことのないスポーツに私は興味を持った。痛々しい事は予測できたが好奇心が私を止められなかったのだ。何より宮田くんがボクシングをしている姿だって気になる。きっと絵になるんだろうなぁ…そんな事を考えていると…
「…今度の土曜、試合あるけど…一緒に見に行くか?」
宮田くんからデートのお誘いを受けた。返事は勿論YESだ。
『行きたい!』
私は即座にそう答えた。