+ Short Story +
□仲直り
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『なあ!武士!』
振り向くと雑誌を手に持っては理恵が駆け寄ってくる。
「理恵、落ち着きや」
『これ!幕之内の記事載ってんねん!また勝ったんやで!』
ワイという彼氏が居りながら話は毎度、幕之内の事や。
「とっくの昔に知っとるわボケ」
『じゃあ昨日、幕之内がうちに会いに来てくれた事は知らへんやろ!』
「知っとるわボ……なんやてぇ!?幕之内が理恵に会いに来たやと!?」
どういう事や!状況が見えへん!
『友達と東京まで幕之内応援しに行ってん!そしたら今度は幕之内がうちに会いに来てくれたんよ〜』
「2人きりか?2人きりやったんか!?」
『せやで』と短く返された。流石のワイでも堪忍袋の尾が切れるわボケ!
「浮気か!!」
ビシィ!と相手を指差し怒る。
『はあ!?浮気ちゃう!』
「幕之内幕之内てお前幕之内に惚れたんやないやろな!?」
ズイ!と否定する相手に詰め寄る。
『確かにかっこええけど惚れてへん!』
「もう知らん!幕之内のとこにでも行ってまえ!」
ワイはその場から逃げ出した。
『…怒られてもうた…』
ぽつんと置き去りにされた。
どないしたらええねん。
何で武士が怒っとるんか分からへん
『武士のボケ!!!!!』
叫んでみてもモヤモヤは消えん。
-----後日、幕之内の元を訪れた。
「相沢さん!?」
泣くうちを見て目を見開く幕之内。
『幕之内ぃ〜…武士に怒られたぁああ〜…』
「お、落ち着いて…!とりあえず、深呼吸、深呼吸…」
言われた通りに深呼吸をする。
「昨日、何があったのか聞かせてくれる?」
言われるままに経緯を全部話した。