+ Short Story +
□繋がり
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高校に入学後、ロードの道を変えた。その途中にある河川敷の木の下で俺はアイツと会った。
「へえ…こんな所でシャドウか。気分良さそうだな…」
何も思わずに近づいた俺は相手を見て言葉を失った。何と驚く事に相手は…
「女…!?」
そう言った俺に気づいて振り返った女の子。
『…?誰?』
怪訝そうな顔で女の子は俺を見た。
「あ、いや…シャドウやってるもんだからつい男だと…」
首に掛けていたタオルで汗をぬぐってフゥ、と一息ついた女の子はこう言い放った。
『男なんかに負ける訳ないじゃん!』
「フーン…アンタ何処のジムに通ってんだ?」
何となく興味が湧いて聞いてみた。
『川原ジムだけど…アンタは?』
スポーツをやっているから男勝りか性格をしているようだ。
「俺は鴨川ジム。…いつも此処で練習してんのか?」
普段は人と話したいとも思わない俺が彼女に関しては知りたいと思った。
『此処でやり始めたのは最近だよ。高校入ってロードの道でも変えてみようかなって思ってさ』
前までは反対の道でロードをしていたらしい。通りで見掛けない訳か。
『鴨川ジムって鷹村さんがいる所じゃない?川原には強い奴居ないから退屈なんだよね。今度遊びにでも行ってみようかな。アンタに会いに…っていっても名前知らない…』
俺はハッとした。話もいいが名前を聞いていなかった。
「俺は宮田一郎。アンタは?」
『私は相沢理恵!って、やば!もうこんな時間…!』
時計を見た彼女は慌てて立ち上がった。
「やべ、俺も戻らねえと会長に叱られる」
『次会ったらスパーで相手してよね!じゃあね、宮田!』
ブンブンと手を振って走って去る相手の背を見送っては俺もジムへの道を戻り始めた。