禁じられた遊び

□禁じられた遊び 1 僕
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彼らの予定より早く見つかったのは、僕に面会があったからだ。誰が来ているか、察ししている。
面会室には、スーツ姿の男が待っていた。背が高くすらりとしている、30歳半ばで、圧倒する気をまとっていた。僕の姿を見て椅子に座った。怒っている。僕は、ニヤリと笑って受話器を取った。
「こんにちは、スズキ叔父さん。」
「ブレイン!」
スズキは、僕をじっと見つめ、苛立った声を上げた。「ブレイン!お前らしくない。何をしている?」
「いい手でしょう?いい休みになるよ。」
僕も負けずに、にらみつける。「…ブレイン、お前なら上手く乗り切れる。」
「ああ、乗り切れる。その後は、どうするつもり?僕の頭、必要だった、まだ!」
スズキは、僕を見つめる。「僕、早速挨拶された。
スズキ、そのうち、殺されるかもしれない。嫌、殺すかもしれない。
スズキ、その目、覚えているよ!そのうちスズキみたいに僕を…」
「わかった!ブレイン!」スズキは、初めて視線を落とした。
スズキと暮らし始めたのは、8歳の時、母が再婚相手と事故で亡くなってからだ。スズキは、母の再婚相手の弟だ。僕の後見人、僕のボス。僕はスズキの組織のブレイン。僕はスズキの為に、頑張った…。いいんだ、もう、その事は。
スズキは、大きく息を吐いて、もう一度僕を見て、まるで、死期を告げるように言った。
「カウンセリングを受けるよう、言われている。」
今度は、僕の血が引いていく。そして、次には、赤く変わっていくのを感じた。嫌だ!ここに来たのは、失敗だったか?唇の震えをやっと押さえつけた。
「そう。
受ければいいんだね!」
受話器を力いっぱい、叩きつけ置いた。僕が立つ、スズキは、ゆっくり立ち上がった。心配そうな表情。今さらそんな顔はするなよ!
僕は、唇を噛み、部屋を出て行った。
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