禁じられた遊び

□禁じられた遊び6 迷い猫
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悪夢なんて誰も見るさ。

捨て猫とか、迷い猫って、苦手だ。しかも、苦手なものほど、巡りあってしまう。
そんな気分だった。

その日は、いい気分だったのさ。髪もばっちり決めて、出勤だ。流した前髪をウィンドウでチェックした。予定を確認して、準備も整えた。スーツが気持ちがいい。
女の子が大好きな俺って、ホストは最高に気に入っている。
勿論、生き残るって、大変だからね。
こうして、ただ歩く時も、視線や姿勢を研究する位だ。
女性達の視線が気持ちいい。
「あの、スミマセン。」
不意に、声をかけられた。振り返ると、色白の美少女がいた。肌は透けるように白く、黒目がちの瞳、長いまつ毛。紅い唇から白い真珠の歯が見える。ホストのプライドにかけて、一度会ったら、忘れないが、誰?
「僕、ホストクラブに推薦して貰いたいのです、お願いします。」
「えっ、男?」
彼はニッコリ、微笑んだ。なんだ、いくら綺麗でも、男に、用は無い。俺も、男女の区別がつかないなんて、修行が足りないね。
「ホストクラブの方ですよね。お願いします。」
彼は、捨て猫みたい眼で、俺を見た。ヤバイ…
こういう眼って、苦手だ。それに、この首の細さは、ガキだ。
「お前、18に…」
俺の口に、指を当てて、シィーと、自分の唇にも、指を当てた。
「年齢は、聞かない方がいいですよ。お願いします。」
さっきより、顔が近い。俺、赤いかもしれない…。全く、ホストのプライドがガタガタだよ!
「まあ、店長に繋ぎはつけるから!」
「ありがとうございます!」
パアッと、顔を輝かせた。
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