禁じられた遊び

□禁じられた遊び2 「スズキ」
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 禁じられた遊び。
あれは、彼だったのか?
もしかして、私だったのかもしれない…

 私は、そうそうに組織を受け付いた。先代は、私達兄弟を可愛がってくれた。兄は、全く興味が無く、先代のもとを出て、アメリカに行った。私は残り、期待にそうよう努力した。引き継いだシステムのたて直しに、尽力を注いでいた。
その兄が急死した。しかも、結婚相手の子どもに虐待していたと知らされた。私は、義理の甥に会うためアメリカに行くことになった。私が22歳の時だった。
彼は、8歳、白い肌紅い唇に、きつい目をしていた。涙は見せず、きつい目で、両親の遺体を見つめていたそうだ。母親は、兄と一緒に事故死だった。母親似の彼を見つめ、兄の悪い癖を苦々しく、思い起こさせる。
兄は、何を考えていたのだろう。
遺品には、母親の痛々しい日記が書かれ、夫の行動に苦悩し、子どもを守れない苦痛がしたためられていた。

彼の担当者に会う。児童心理学に長け、日本人の助手、イトウと共に会った。既に、ポストトラウマセラピーは、開始していたが、長い期間を要する事を説明された。驚いたことに、(相手も私の若さに驚いていたが)彼は、高い知能、特に数学に長け、高等教育を終えていた。
天才児、稀な美貌、大きなトラウマ…。
様々な問題を並べられた。組織のシステムに、加え、私は、親になれるだろうか?
しかし、彼を放棄する気になれない。私には、子ども時代はなかった。その体験が、彼への関心に繋がるのかもしれない。
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