フラワーアレンジメントの部屋デスノート月L
□風に吹かれて 月L
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黒髪を風に揺らし
少し前かがみの背中が
何か言いたそう
寂しい?
…何がですか。
哀しそう。
…なぜですか。
抱きしめたい。
…結構です。
嘘つきだな…竜崎は
…そうかもしれませんね。
竜崎…
…ハイ
肩が震えているよ。
…あなたは暖かいです。
僕は熱いさ、竜崎だと、つい、ムキになるし
…幼稚ですね。私もですから。
背中…抱いてていい?
…息が首にかかって、くすぐったいです。
竜崎ったら、誘っているの?
…あなたが!…いいえ。なんでもありません。
竜崎…ちゃんと言って。
…なんでもありませんよ
素直じゃあないなぁ
…ええ、嘘つきですから。
ねぇ、竜崎…
…
ううん、なんでもないよ。抱きしめたまま、しばらく二人で風を感じていたい。
…風ですか。
そう、風さ。時が流れても、風に吹かれたら、竜崎を思い出したいから。
…忘れてもいいですよ。
竜崎の嘘つき…忘れない。
…忘れて下さい。
嘘つきだ…キスしてもいい?
…ダメ…です。
潤んだ眼で見ているよ。
…見ないで下さい。
口唇が震えているよ…
…。
フフ。そう、素直になって、ねだって欲しいな。
…できません…
竜崎…キスしてって、ねだって…
…
竜崎…
…意地悪ですね。
竜崎の口唇から聞きたい。
…言えません。
負けず嫌い。
…あなたと同じですから。
フフ。バカだなぁ。
…怒りますよ。
ムキになったね。
…幼稚ですから。
ねぇ、竜崎…
…ダメです。
まだ、何も言ってないよ。
…あなたの考えはお見通しです。
クスクス、じゃあ、竜崎、言って見て。
…
お見通しなんだよね。
…トラップですか。
いやだなぁ。恋の駆け引きって、言って欲しいな。
…そう。落ちたんですね、私。
そう?そうだよ…恋にね。
…そんな勝ち誇った顔で見ないで下さい。
だって、竜崎、素直だから。
……バカ…。
竜崎…眼を閉じて…
…イ…ヤ…です。
落ちたのは、僕の方かも。
…嘘…つき…ですね。
甘かった?
…溶けそうです…
。