少年Lの事件簿

□スイーツ ハウス*
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ワタリは、いつものように、スイーツを用意した。
細いフォークを摘み、ショートケーキを一口食べると、Lは、パソコンの画面から眼をショートケーキに移した。じっと、見つめていた。
「L、どうかしましたか?」
「このケーキ、何か、違います。」
気にいらない時は、黙ってお菓子をおいてしまう。お菓子をじっと見つめるなど、違うのはむしろ、Lの方に見えた。
「…私の好きな味です。」
好きな味なら、嬉しそうに食べるのだろうが、怪訝な表情で、食べ始めた。ワタリは、微笑んだ。
「ワタリ。少し、一人にしてもらえませんか。」
「ええ、分かりました。」 ワタリは、静かに部屋を出て行く。いなくなった事を確認すると、静かにフォークを置いて、口から、何かを取り出した。
カプセルだ。ケーキに忍ばせたのか?中から、チップを取り出した。パソコンで読み込む。テキストだった。文章を読みながら、Lは、爪を噛んだ。
Lが読むことを前提とした文章。
Lの殺害予告だった。
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