少年Lの事件簿

□バニー タッチ*
1ページ/14ページ


Lは、ソファーで課題に取り組む月に擦り寄る。
「…月くんハグ、してください。」
「僕は、課題を仕上げたい。竜崎、大学は?」
「もう済んで、います。」「…」
「月くん肩貸して…ください。」
どうしようもない程、甘い声でねだってくる。根負けして、ソファーで座った状態で、左腕左胸肩でLを抱きながら、課題の本を読む羽目になる。Lは、両膝を抱えた姿勢で、ぴったり、月に擦り寄る。肩に頭を預けトロンとして、月の手元を見つめていた。
「竜崎、こんなに甘えん坊に変わると思わなかったよ。」
「月くん…だって、月くん…ですよね…。」
スースー寝息をたてはじめた。Lの吐息が月の首筋にもろに当たった。
「もう、竜崎…ねだってくるクセに寝ちゃうんだから!こっちの身にもなれよ。」仕方なく、Lの頭にキスをした。
暖かい、鼓動がして、月くんの胸に触れているのは、とても、気持ちがいいです…。



春先、日差しも暖かい。17歳のLは、公園で、ブランコにしゃがんでいた。走る子どもの姿、キスしている恋人、暇つぶしの老人。それぞれが、思い思いに春を楽しんでいた。
ロリホップをくわえたままで、ブランコを降りる。まだ、芝生は生えそろっていない。裸足で歩くには、早そうだった。諦めて空を見上げた。
無機質な音がする。指先で携帯を取り上げた。
「Yes」
もう一度空を見上げ、ワタリの待つ捜査本部に帰って行った。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ