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□色欲
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「…弦一郎さん」
「む。」

はたと気付いた時、まだ二人とも浴衣すら羽織らず裸のまま布団の上に折り重なっていた。汗ばんだ胸板の下、ようやくなまえが意識をはっきりさせれば弦一郎は先ほどとは異なりなまえと向かい合う形で彼女を見下ろしていた。
「ごめんね、私、飛んじゃってたみたいで。」
「それだけ良かったのだろう。」
「弦一郎さんもそういうこと言うんだね。」
くすくすと笑うなまえに、弦一郎は額に張り付いた髪をそっと払ってやる。そして、キスを落とした。
「日付を超えたようだ。」
「じゃあ、寝ましょうか。」
そう言って枕の上にある目覚ましに手を伸ばすなまえ。細い腕を掴んだのは弦一郎の手で、すぐさまそれは弦一郎によって布団の上に押し付けられる。もう片方の手でなまえの頬を撫でながら弦一郎は苦笑気味に言った。
「誰が寝かせると言った。」
「え。」
「日付を超えたのだから、もう何時に寝ても同じだろう。」
太股に熱いものが押し付けられ、もう逃げられないことを悟る。ゆっくりと近付く唇を重ねると、荒い息と口の端をつつと伝う唾液に冷めかけた熱が再び芽生え始める。
「なまえ、これからは…」
「……ん」
「これからは、あまり自分を律するな。俺も…お前と交わるのは、我を忘れるほど心地好い。」
「あ…ーっ、」
再び挿入され、まだ濡れたままの秘部に擦り付けられながら弦一郎がなまえの首筋に吸い付く。鎖骨に、そして胸元に、次々に紅く跡を散らしながら喉を鳴らして笑った。
「こういう弦一郎さんも、好きっ」
「ほざけ。その余裕、すぐに壊してやろう。」
浅い抜き差しが始まり、もどかしさに自分から腰が揺れる。なまえに口付けながらの緩やかな律動。

箍が外れた弦一郎の獰猛な欲は、まだ収まりそうにない。











End.
(やりたいこと詰め込んだら長くなりました。真田に魔羅って言わせたかったんや…)

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