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□色欲
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「まだ、火曜日です。」
「そうだな。」
「明日も、仕事、でしょ」
「無論だ。」
「っ、あの、」
「今更止めるつもりはない。少々睡眠を削ったところで仕事を疎かにするほどやわな鍛え方はされとらん。」
そう言いながら弦一郎の骨ばった大きな手はなまえの胸をまさぐり、時折指先が突起に触れる度に風呂上りの仄かな熱を帯びた体は敏感に反応してしまう。本当に、ご無沙汰だった。だからこそ余計に嬉しくて、体のそこかしこが弦一郎に触れられることを悦んでしまうのは仕方の無いことだった。
「ね、弦一郎さん」
「今度は何だ」
「弦一郎さんは、シたいの?」
「それは…」
「私だけがシたいなら、やだ。」
胸元に置かれた手を掴み、肌から離す。背中に感じる弦一郎の体温も息遣いも、それは普段と何ら変わらないからふとそれが不安になってしまったのだ。自分だけが欲に溺れることが、怖くなった。
「…ううん、いいの。気持ちだけでも嬉しいです。やっぱり、今日は止めましょ。どうせなら、お互いにシたいときがいい。」
「しかし」
「いいの。ねえ、寝ましょ。今日だってお疲れでしょ。」
弦一郎の手を離し、くるりと寝返りを打って体を反転させる。向かい合った弦一郎は困惑したようになまえの顔を見つめていた。
「…ありがとう、気を使ってくださって。」
途中で終わってしまったのが寂しいのと同時に、珍しく体を重ねようと不本意ではあろうが弦一郎の側から提案してくれたことが何よりも嬉しかった。それがなまえを満足させるには十分な理由だった。おやすみなさいと目を閉じる。同時に唇を塞がれ、再度胸を鷲掴まれてなまえは目を見開いた。
「誰が止めると言った。」
「えっ、でも」
言葉を返す前に布団の中、弦一郎がなまえの浴衣を脱がせにかかる。ほとんどはだけていたそれはするりと肌から離れ、また弦一郎も自ら浴衣の紐を解いた。
「随分と濡れているな。」
下腹部からその奥、濡れぼそった蜜壷に弦一郎の太い指が侵入し音を立てる。なまえの腰を掴み、愉しそうに腟内が十分に濡れているのを確認しながら掻き回せば、彼女の口からは抗議の言葉はもう出て来なかった。体を起こしてなまえの腰を持ち上げる。後背位の体制は久しぶりで、そのな眺めに弦一郎は目を細めた。
「一度決めたことを、俺が曲げると思ったか。」
「だって…」
「俺とてお前を抱きたくない理由など無い。…入れるぞ、痛かったら言ってくれ。」
「えっ、あ、んんっ、」
前戯もないままに弦一郎のそれは勃ち上がっており、それは濡れたなまえの膣内を満たすには十分過ぎるほどに肥大化していた。挿入に痛みもなく、むしろ飲み込まれるように受け入れられたが互いに久しぶりの交わりに酔ったかのようにそれだけで強い快感に苛まれる。少しスライドさせただけで弦一郎は強烈な甘い痺れに呻いた。なまえもまた、弦一郎の突きに堪らず鳴いた。
「そんなに、俺の魔羅が欲しかったかなまえ。」
「ひゃ、っんん、はぁっ欲し、ぃい」
「淫乱め…」
普通の女であるなまえの体には弦一郎と対等に交わるだけの力すらなく、彼の本能のままに中を穿つ獣のような突きは彼女には受け止めることが難しく突きに合わせて彼女の腰は大きく揺れた。弦一郎の目の前で繰り返されるその様子はなまえには残念だが彼を余計に興奮させるだけで突きは回数を増す事に激しくなる。子宮へ勢いよく突かれると痛みが生じるとは聞くものの、それ以上に大きなグラインドは彼女の腟内を擦り上げて余りある快感を生み出しては膝も腰もがくがくと震わせた。
「欲しがっておきながらもう、限界か。」
「ごめ、なさい、ごめんな、さいっ」
「俺を煽ったからには、最後まで付き合ってもらうぞ」
耳朶を甘噛みされ、途端に背筋がぞくぞくと痺れを甘受する。雄となった弦一郎はなまえの堕落した様に更なる興奮を覚えてしまって、すっかりどろどろの結合部をぐちゃぐちゃと鳴らしながら腰を振っていた。ぼたぼたと落ちる愛液や先走りがやらしい匂いを放ち、寝室の熱と相まって更に二人を堕落させる。
「あ、あああ待って、待ってえっ」
「達するかなまえ」
「っう、うん、そうなのイきそ、なの、でも」
「先にイけ、…直ぐに出してやる。」
既に達しかかりひくひくと収縮する膣の動きがより強くなる。弦一郎は締りの良い腟内を乱暴な動きで突き上げれば、なまえは声にならない叫び声を上げて絶頂する。間もなく弦一郎も、彼女に折り重なって膣内で吐精した。


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