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□毒牙と蜜
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全く酷い酔い方をしたようだ。赤也に付き合わされて3軒…いやもっと回ったか。シモの話に火がついたあいつはどうしようもない。飲みながら彼女とのあれやこれやとかとにかく散々聞かされた。合わせて酒を飲んだからペースも上がってしまって俺もすっかりこのザマだ。ああでも最後のバーで飲んだウォッカは美味だった。バーボンもなかなかいけたな。同時に思い出すのは赤也の「彼女の体ってどこ舐めても甘く感じません?」という言葉。これまで多分ノーマルなセックスしか経験してこなかったしそもそも今の彼女が最初(で最後)の女になるからまだ体を重ねたのも片手で数えられる程度しかない。キスをして、胸を触って、慣らしてから挿入して終わり。舐めるという行為に重要性を感じていなかったため、試したことは無かった。
重たい頭ががくがくと揺れる。もう自宅はすぐそこなのに足が鉛のように重い。壁伝いに手を付けば、目の前でがちゃりと扉が開いた。漏れてくる光が眩しすぎて思わず目をきつく瞑ってしまう。けれど耳に届いたの優しい声色の愛おしい彼女の「おかえりなさい」という言葉で、やっと自宅に着いたことを安堵した。

「蓮二、お水飲んで。酔ってるでしょ。」
「すまない……」

コップを受取りながら、後ろ手で玄関の扉を締める。チェーンがついたのを確認してから水を煽れば、ほんの少しだけぼやけていた視界がやっと鮮明な普段のものへと戻った。心配そうにみつめるなまえのなんと愛おしいことか。ああ、まだ酔っている。しかし彼女が愛おしいのは紛れもない事実で、現にその小さな身体を抱きしめたくて仕方が無い。愛らしい。

「なまえ…」

手からするりと空になったコップが落ちる。思いのまま抱き寄せると同時にカランカランと軽い音を立ててコップが床を転がっていった。腕の中でもがくなまえに強引に口付け、舌を捻じ込んで深く繋がろうと試みれば難なく彼女は俺を受け入れようと自分のそれも絡めてくれる。甘い。赤也の言う通りだ。貪るように舌を吸い、歯列をなぞる。ああ、もっと欲しい。必死についてこようとするなまえのぎこちない舌の動きすら余りに愛らしくて、密着している下半身が熱を持って彼女の下腹部へと勃ち上がってしまう。
息が上がったなまえに、それでもキスを強要してしまう俺に余裕などないことは自分でもわかっていた。口付けながら服をまさぐり、脇腹から手を忍ばせて胸をやわやわと揉めば柔らかくて、熱くて、たまらなくクセになる。息苦しさに目に涙を浮かべる表情すら扇情的だ。すぐに楽にしてやりたい、なまえの大好きな一番奥への強引な愛撫をしてもっと鳴かせたい。もっとも、それは俺の欲求とも一致するが。

「あっ、ああっれん、じぃっ」
「随分と濡らしているな。」

腰が抜けたなまえを寝具へと運べば、甘ったるい声が耳を擽る。やらしい女だ、と吐き捨てながら見に纏うもの全て剥ぎ取っていく。いつもの俺のやることではないが、この際知ったものか。
湯上りなのか少し火照っている体にやっとありつけた興奮ですっかり俺まで息が上がり始めていた。

「ね、れんじ、変だよ…」
「酔ってるんだ、当然だろう。んっ…」
「ひゃっ!?」

腕を掴んで上へと持ち上げ、露になった脇に下を這わせる。れろ、と舌を這わせれば滑らかな肌の感触に思わず喉から笑が漏れた。二の腕まで舐め取ってやればなまえの甘い声が響く。強めに吸って赤い痕をつけてから今度は反対側の腕を持ち上げ、同じように脇から二の腕までねっとりと舐め上げる。脇も女にとってはかなりきつい性感帯だというのは本当の話だった。今度あいつに何か奢ってやろうか。

「そ、んなに舐めないでぇっ」
「それは出来ない相談だ。…諦めろ。」

続いて胸の突起を、下へおりて脇腹、へそ、そして大事なところはお預けにして太股へと下を這わせていく。甘い。仄かな石鹸の匂いがまたそそる。太股へ顔を埋めればもどかしさに溢れる蜜がやらしい雌の匂いを放つものだからさてそろそろ我慢の限界だ。お互いにもう欲しくて仕方ないという状態か。

「ここを舐めるのは初めてだな。」
「えっ、あ、やだっ。そこはっ」

足を閉じようとする前に間に入って、腕を掛ける。遅かった、と言いたげにはっとするなまえはもうこれ以上ない恥ずかしさで顔が真っ赤だ。初めての時もたいそう恥ずかしがったが、その時と同じくらい頬が染まっている。
足を割開いて茂みの中に舌を差し込む。こんなに濡らして。シーツに染みが出来ていそうだ。それを無我夢中で、犬のそれのように俺が啜り、舐め取り、時折強く吸う。じゅるじゅると卑猥な水温が耳を支配すればなまえの腰が浮いた。

「蓮二…」
「御馳走様。…と言いたいところだが、デザートがまだだったな。」
「で、でざ…」
「欲しくて堪らないのだろう。俺も、こんなに可愛らしくてやらしいお前の前に欲情せずにはいられないんだ。」

十二分にいきり立ったそれは反り返るほどで、我ながら随分と溜まっていたものだと苦笑する。少し大きすぎて痛くしてしまうかもしれない、という俺の心配は十分に濡れぼそった彼女の膣内に難なく飲み込まれた。いつもよりも熱く蠢く内壁に、ともすれば吐精しかねない。ゆっくりスライドさせて慣らそうにも、柔らかく締め付ける感覚に腰が甘い痺れを覚えた。このまま永遠に繋がっていたい、先端が少し固い何かにぶつかっていて、それがポルチオであることはすぐに分かった。

「やっ、これ、なにっ」
「俺の鈴口でお前の子宮口に…そうだな、キスをしているとでも言おうか。」
「やだっ恥ずかしいっ!」

腰を引こうとするなまえを、逃がすまいと引き寄せて腰を掴む。再度先端に当たるそれに、自身を押し付ければ一際甲高く細い嬌声が耳に響く。同時に竿を強く締め付けられ、思わず俺も声が漏れた。

「ああっ、あっ、ああんっ、れんじ、れんじっ」
「っ、」

抜きにくいがために奥を抉るように腰を振って、何度も何度も子宮口と先端がぶつかり合う。奥をぐりぐりと押してやれば強烈な快感に脳髄までもが震えた。弓なりに仰け反るなまえの細い腰にまた煽られ、ようやく自身を出し入れしながらなまえのナカを擦ってはいつものいいところを突いてやる。下を向けば繋がっている部位が目に入るのだが、互いの愛液でてらてらと妖しく光る結合部に思わず生唾を飲む。誤魔化すように乱暴にピストンすれば、声にならないなまえの息が髪を掠めた。

「ねぇれんじ、れんじっきもちいっ、きもちいよおっ」
「俺もだなまえ、なまえああっ出る、出るッ」

我慢ならなくて、またあの強烈な快感欲しさにぐっと奥へ押し込めばまたなまえの背が仰け反る。そして尖端が子宮口に触れたのを確認してから自分を腰を突き上げて鈴口を押し付ける。ああ、クる。みるみるうちに溜まっていたものが込み上げてきて遂には熱いナカで滾っていた欲がどくどくと吐き出された。波打つ度に「はぁっ、んっああっ」と声を上げるところを見るとなまえはまだ感じているらしい。腰を掴んでいた手を離せば、掴んでいた部分にじんわりと赤い跡ができていた。力を入れすぎたようだ。

「なまえ…」
「ん…っ」

雪崩込むように彼女の上に倒れ、そのまま口付ける。突然の行為にすっかり気力も体力も持っていかれた彼女は虚ろな目ではぁはぁと息を上げていた。

「蓮二…溜まってたんだね……」

気づけなくてごめん、と重そうに腕を持ち上げて彼女の手が俺の頭へと移る。ゆっくりと撫でられ、くすぐったさに思わず笑ってしまった。

「痛く、ないか。」
「うん、へーき…」

繋がったままの下半身。今度はなまえの好きなペースで、と囁けばけだるそうに彼女は笑った。

「もう1ラウンドは確定事項、ってか。…ふふ、まだおっきいね。」
「余裕があるなら先程同様に激しくしてもいいが?」
「いいよ、…たまには蓮二の好きにして?」

ふふっと笑った彼女はすっかりいつもの笑顔だったから、それではと体を起こしてゆるゆると腰を動かしていく。
先程より収まったそれも、少し動いただけでまた元の質量を取り戻してしまったからやはり俺は相当溜まっていたらしい。

「ご無沙汰だったもんね、っあんんっ」
「ああ、まったくだ、っ!」
「だからあんなにぃっ、カラダ、とかあっあっ、舐めたのっ、?」
「ふっ、さあな」

少しペースを上げて腰をグラインドさせればなまえの喘ぎが一層大きくなる。それがまた俺を欲情させるからさらに欲しくなってしまってこの律動はまだ止められそうにない。
下を向いて目に入った結合部から溢れるなまえの蜜を人差し指で掬い取り、ペロリと舐め取る。鼻腔に残る雌の匂いがまたオレを興奮させてしまったから、今夜はお前を寝かせられそうにない。




End.





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