circus -第二幕-

□#09 鍍金(メッキ)の勇者
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夕焼けのようにオレンジに染まる世界で、アスナとモモはそれぞれぐったりと体を伏せていた。



「ママ!!」



『ッ!!』



聞き覚えのある愛しい娘の声にモモは跳ね起きた。


声のした方を見れば檻の外にユイと愛しい存在のキリト、そして従兄のトウリがいた。



「トウリくん…ッ」



『〜ッ、ユイ、キリト…ッ』




アスナとモモはぽろぽろと涙をこぼしていった。




「ママッ!!」



ユイは一瞬で檻の柵を消し去ると、モモに一直線で抱き着いた。



それをモモは抱き締め、涙ながらにユイとの再会を噛みしめた。



そこにキリトも加わり、お互いの額を合わせた。


『来てくれるって信じてた。』



「悪い、遅くなった。」




一方のアスナとトウリも再開を喜ぶかのように抱き締め合っていた。




「さ、一緒に帰ろう。」



『うん。』



優しくモモが微笑むとキリトはユイに尋ねた。



「ユイ、ママとアスナをログアウトさせられるか?」



「…ママのステータスは複雑なコードによって拘束されています。解除にはシステムコンソールが必要です。アスナさんも同様です。」



「ッ!私ラボラトリーでそれらしきものをみかけ…」



「ッ!!」



キリトは急に剣に手を添えて構えた。



「な、なにっ!?」



『どうなってるの!?』



困惑した表情のモモは急に体が重く感じた。



それはキリトやアスナ、トウリも同じようで皆片膝をついていた。



次第に強くなる体の重さにモモは重力か何かを操作されているんだと推察した。



『(こんなことできるのは…)』



キリトが必死にモモに向かって手を伸ばそうとしても、重力が強くなり、その手は届かなかった。



「ユイ、この状況は一体…!」



「パパ、ママ、気を付けて…何か、よくないものが…!」



それだけ言うとユイは消えていった。



『ユイ!』



再びキリトに手を伸ばしたモモだが、それを遮るように声がした。
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