circus -第二幕-

□#08 絆
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キリトがテラスで待っているのをトウリとモモは少し離れたカフェでその様子を見ていた。



すると、リーファがやってきた。



「やぁ。」



「おまたせ。」



「スグ…」


キリトが話そうとした瞬間、リーファが手でそれを制した。



「お兄ちゃん、試合しよ。」



「……?」



「あの日の続き…」



「今度はハンデ無しだな。」



「行くよッ!!」




まずはリーファが突進していった。



が、それをキリトが避け、大剣を振るうがそこにはリーファはいなかった。


リーファは翅を生やして上空へと誘い込んだ。


キリトも追いかけるように翅を生やして飛んで行った。



上空でキィンと剣がぶつかり合う音を出しながら二人は更に上昇していった。


リーファが小さな浮島に降り立つと、剣を上段に構えた。



キリトも少し低い位置に着地し、剣を構えた。



リーファが涙を一粒流した瞬間、リーファは地面を蹴った。



上空で二人の剣が相まみえようとした時、リーファは剣を手放した。



そんなリーファをキリトは剣を捨てて抱き留めた。



「なんで…。」



「どうして…。」




二人は上空でくるくると回りながら疑問を投げかけた。



「俺…スグに謝ろうと思って…。でも、言葉が出なくて…。せめて剣を受けようと思って…。」



「え…、お兄ちゃんも…?」



「ごめんな…」



「私こそ…」



二人は抱き締め合いながら謝った。



「俺、本当の意味であの世界から戻ってきてないんだ。終わってないんだよ、まだ。
彼女が目を覚まさないと、俺の…俺たちの現実は始まらない。
だから、今はまだスグのことどう考えていいか分からないんだ。」



「うん、私待ってる。お兄ちゃんがちゃんと私たちの家に帰ってくることを…!だから…、私も手伝う!」



「パパ!ママが…!!」



『キリト…!』



リーファとキリトが和やかな雰囲気になっているのも束の間、モモの身体に異変が生じた。
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