circus -第二幕-

□#04 ルグルー回廊
2ページ/10ページ






3人が入れる窪みにリーファはキリトとモモを押し込むと、左手を掲げて魔法スペルを詠唱した。



流れるような詠唱に感心していると、足元からオレンジの渦が巻き上がり、周りと同じ土の壁が出来上がった。



「喋るときは最低のボリュームでね。あんまり大きい声出すと魔法が解けちゃうから。」



「『了解。』」



「もうすぐ視界に入ります。」



ユイの言葉に3人に緊張が走った。




「あれは、なんだ?」


「え?まだ見えてないでしょ?」


「プレイヤーじゃないけど…、コウモリかな。赤くて、ちっちゃい…。」


「ッ!」


リーファは慌てて視線の先を凝らして見てみる。



すると、暗闇にきらりと光る二つの赤い光が見えた。


「!!」



リーファは慌てて自分で作った隠れるための岩壁から抜け出した。




「お、おい、どうしたんだよ!」



「あれは高位魔法のトレーシングサーチャーよ、潰さないと!」



『私も手伝うよ!』



モモはリーファと二人で魔法を詠唱し、逃げていくコウモリに遠距離攻撃を放った。




3、4発で当たったコウモリはポリゴンの欠片となって四散した。



「走るよ、キリトくん!」


「えっ、また隠れるのはダメなのか!?」


「トレーサーを潰したのは、もう相手にもバレてる。とても誤魔化しきれないよ。
それにさっきのは火属性の使い魔なの。ってことは接近しているプレイヤーは…」


「サラマンダーか…。」


洞窟を抜けるとそこは湖と呼ぶべきか鍾乳洞というべきか水が張っていた。


中立の鉱山都市も見えてきて、あと残り一直線だった。



「でも、どうしてこんなところにサラマンダーの集団が…」


「おおっ、湖だ!」


『呑気なこと言ってる場合!?』



「これなら逃げきれそうだな。」


「悠長なこと言ってて湖に落っこちないでよ!」



後もう少しというところでリーファたち3人の後ろから魔法が飛んできて、鉱山都市の目の前を岩壁で塞がれてしまった。



「っでぁッ!」



≪ガキーンッ≫



「おわっ…!」


『よいしょっと。』



剣で突っ込んでったキリトをモモがキャッチした。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ