circus -第一幕-
□#05 圏内事件
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攻略会議が終わり、プレイヤーたちがぞろぞろと洞窟内から出ていくのと同じように≪circus≫のメンバーも外へと出た。
『アスナ、ちょっと変わったね…』
「今や"攻略の鬼"って言われてるからな…」
『根詰め過ぎてるんじゃないかな…、心配…』
数少ない女性プレイヤーの友達をモモは心配した。
――――
2024年、4月11日、第59層、ダナク。
そよそよと風が心地よく吹く中、芝生に寝転がる一人のプレイヤーがいた。
『こんなところでお昼寝ですか。"黒の剣士"さん?』
「ん?ああ…、モモか…。今日はアインクラッドで最高の季節の更に最高の気象設定だ。
こんな日に迷宮区に潜ってちゃ勿体ない。」
『そりゃそうですか。』
そういうとモモはキリトの隣に座り込んだ。
「ほら、日差しも風もこんなに気持ちいい。モモも横になってみろよ。」
『じゃあ、私もお昼寝しようかな』
「夜のショーはいいのかよ。」
『今日はお休みするよ。たまには休息が必要だもの。』
そういうとモモは小さな寝息を立て始めた。
「俺が男って分かってんのかよ…」
キリトが小さく呟いた言葉など、知らないモモは気持ちよさげに眠っていた。