circus -第一幕-
□#04 黒の剣士
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そのあと、キリトは板に両手を肩の高さまで上げて十字の形になってもらったまま、私がキリトの身体スレスレにナイフを刺して行くという演目がなされ、キリトの寿命をすり減らした。
ショーが終わると酒場に集っていたプレイヤーもまばらになり、そこでやっとピエロの仮面を取ってキリトたちの元へ行った。
「もうああいうことはやめてくれよ、トウリ!」
「いやぁ、面白かっただろ?お客さんも湧いてたしな!」
「俺は寿命がすり減ったよ!」
「本当にヒヤヒヤしました…」
「モモが外すことなんてないから、大丈夫だって、な、モモ」
『知り合いを巻き込むのはやめたほうがいいと思うけど?』
「モモまでそういうのかよ〜」
『そういえば、この子は?』
私は先ほどから気になっていたツインテールの女の子に話題を振った。
「ああ、この子はシリカ。35層の森で出会ったんだ。詳しいことは二階で。」
「ん、分かった。」
キリトの纏う雰囲気に只事ではないと気付いたトウリが頷くと私たちは二階へと向かった。
私はシリカと同じ部屋に泊まることになった。
『宜しくね、シリカちゃん』
「こ、こちらこそ、よろしくお願いします!モモさん!」
『モモでいいよ。さん付けなんかしなくていいよ。』
「じゃ、じゃあ、モモちゃん…」
『ん、いいよ』
ーーコンコン
「シリカー、モモー。明日のことなんだけど〜」
「はーい、私も今聞こう…と…」
『シリカちゃん、だめだめ!』
下着姿のままドアを開こうとするシリカちゃんを慌てて止めて服を着せたところでドアを開けた。