circus -第一幕-

□#00 憧れ
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その甲斐あってか、二人してハードもソフトも手に入れることができた。



が、兄さんは学校の部活の練習があるらしく、正式サービス開始の13時からはできないらしい。




そのことを数日前から何度も言ってきては、確認するようにゲーム内で落ち合う約束を取り付けてきた。



確認の会話はさっきので何度目になるだろうか…




何回目か分からなくなるほど、確認させられたのだ。






――





『13時までまだ時間あるね…』




後ろ髪を引かれるようにベッドを後にすると、私はお昼とシャワーを済ませるために部屋を出た。








――









『よし…!』





ご飯も済ませた、シャワーも済ませた。




もう桃里兄さんから確認の電話が来ないように、念押しで自分からメールを送っておいた。




準備は万端だ。





刻一刻と時計の針が"1"と"12"を指そうとしている中、一秒でも遅れないように、私はナーヴギアをすっぽりとかぶった。














―そして時間がやってきた。





私は仮想現実の世界へと飛び込んだ。










『…リンクスタート!』













#00 憧れ end.
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