MHA 番外編
□No.- 救え!救助訓練!
2ページ/14ページ
「アニメフェスタだからよ、爆豪ちゃん。」
「ああ"!?」
「梅雨ちゃん、やめとこ?そういうの…」
『(メタ発現はよくない)』
そして、始まった救助訓練。
爆豪は案の定キレまくるし、轟くんまでもが真剣に取り組まず、協調性が欠けそう…というところで八百万さんがぴしゃりと喧嘩を止めた。
八百万さんは模範的とも思えるほど、てきぱきとした指示で救助者に声を掛けたり、谷底から引き上げていた。
「個性を上手く作用させ合い、人助けをする。一組目にしては実に効率がいい模範的な仕事です!これぞ、超人社会のあるべき姿だ〜!」
「一人ただ引っ張るだけの奴もいますよ」
「ガヤがうっせぇんだよ!黙れや!!」
何だか13号先生が感動しているようにも見えるが、確かにそれぞれ上手く個性を使っていると思う。
「自身の個性が貢献できないと判断した場合、それは正しい。"適材適所"。最近のプロはそれができない人が多いんです。
自分が〜自分が〜ばかりでかえって状況を悪くしてしまう例も多発しています。
そこをよく理解してフォローに回ることを覚えれば彼も、きっと素敵なヒーローになると思いますよ〜!」
『(適材適所…)』
私の個性はどちらかといえば、救助の場面よりも戦闘において力を発揮することができる。
今まで個性は戦いでしか使うことはない、と思っていたが、他にも私にできることがあるんじゃないかと思った。
――
その後も訓練は滞りなく進み、私も救助者側、そして助けに来たヒーロー側も体験した。
私の場合、個性を使う場面がなくヒーロー側ではもっぱらロープを引っ張っていただけだった。
『(個性を戦闘以外に使えるような応用を利かせたものを考えたほうがいいのかな…)』
最初の救助訓練ではそう、考えていた。
――
「皆さん、大変素晴らしい成果でした、一回目にしては!救助とは時間のとの戦いでもあります。まだまだ改善の余地が皆さんにはありました。すなわち!まだまだ伸びしろがあるということ!」
「なんか呆気ねぇや…」
「気を抜くな!まだ授業は続くぞ。」
睨みを効かせてきた相澤先生の言葉通り、直ぐ様山岳ゾーンから倒壊ゾーンへと移動した。