circus -第二幕-
□#12 湖の女王
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2025年、12月28日――
私は少し遅めの朝食を取り、学校の冬休みの課題に手を付けていた。
すると、携帯が軽快な音を鳴らした。
見知った彼からの電話だと気付くと、直ぐに電話を取った。
『はい、もしもし。』
「≪おっす、モモ。突然で悪いんだけど、今日空いてるか?≫」
『今日は課題やろうと思ってただけで出掛ける用事とかないから大丈夫だよ。』
「≪流石だな。今日の昼から皆でALOのクエストやろうと思ってたんだけど…。ほら、俺とリーファとモモでヨツンヘイムに落とされた時にさ、見ただろ、あの≪聖剣・エクスキャリバー≫。あれを取りに行くんだよ。≫」
『ああ、あの黄金の剣ね。いいよ、協力する。』
「≪よっしゃ、じゃあ、集合時間と場所、メールしとくな。≫」
電話を切ると、モモは微笑んだ。
『ふふ、年明ける前にまた皆と会えるや。』
――――
ALOのイグドラル・シティの大通りに店を構えるリズの武具店が集合場所だった。
「クラインさんはもうお正月休みですか?」
ケットシーの少女、テイマーのシリカが目の前に座るサラマンダーの刀使いのクラインに訊ねた。
「おう、昨日っからな。まぁ働きたくても、この時期は荷が入って来ねぇからよ。
社長のやろう、年末年始に1週間も休みあるんだから、うちは超ホワイト企業だーとか自慢しやがってよ。」
「あはは…」
クラインの喋りにシリカは苦笑いで返した。
「おい、キリの字よう、もし今日上手いことエクスキャリバーが取れたら、俺様のために≪零刀カグツチ≫取りに行くの手伝えよ?」
「んえー…、あのダンジョン、くそ熱いじゃん。」
「それをいうなら今日行くヨツンヘイムはクソさみぃじゃねぇか!」