circus -第二幕-
□#11 「小さな一歩」
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ほんの少し前、キリトはGGO、ガンゲイル・オンラインというゲームにコンバートしていた。
そのゲームの中でBoB(バレット・オブ・バレッツ)という大会にキリトは参加した。
私はキリトがGGOに参加していると直葉ちゃんから聞くと、初戦からキリトのことを見ていた。
そうでもしないと、どこか遠いところにキリトが行ってしまう気がしたからだった。
決勝戦はアスナやトウリ、リズにシリカ、リーファと一緒に観戦した。
決勝戦の後半で、キリトは黒づくめのポンチョ姿でエストックを扱うプレイヤーと戦っていたが、いつものキリトではないようだった。
そう、ヒースクリフや須郷と戦っていた時のようなゲームがゲームじゃない時のようなキリトの戦い方だった。
最後はキリトのビームサーベルのようなフォトンソードでケリをつけた。
最後に残った女の子のプレイヤーとはグレネードで自爆という形で今回のBoBは幕を下ろした。
後から聞いた話によると、あのエストック使いはSAOでの殺人ギルド、ラフィンコフィンの元メンバー、"赤眼のザザ"だったらしい。
キリトはSAO時代に人を殺してしまった記憶を思い出せないことを悔やんでいた。
昔SAOでラフィンコフィンの討伐が組まれて、私も駆り出された記憶があった。
キリトは私を助けようとしてラフィンコフィンのメンバーを殺してしまった。
そのことが今になって枷のようにキリトを縛っていた。
それをBoBで最後までキリトと戦っていた女の子がキリトを助けたのだ。
彼女としては今回何もキリトの手助けになることができなくて、悔しくもあり、悲しかった。