circus -第二幕-
□#05 猛炎の将
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「なんだかさっきまでの出来事が嘘みたい…。」
「全くもう…浮気はだめって言ったです!パパ!ママも怒って当然です!」
ユイがキリトの胸ポケットから飛び出した。
「な、なにをいきなり…」
「領主さんたちにくっつかれた時、どきどきしてました!」
「そりゃ男ならしょうがないんだよ…。」
『男ならしょうがない、ねぇ…』
「モモもなんだよ…」
『別に〜?』
ユイがモモの肩に乗り、モモもはぐらかすように言いあっていると、リーファが口を開いた。
「ね、ねぇ、ユイちゃん。私はいいの?」
「リーファさんは大丈夫みたいです。」
「な、なんで!?」
「んー…、リーファってあんまり女の子って感じがしないんだよな。」
「なっ、ちょ…それってどういう意味!?」
リーファは腰の剣に手を添えながらキリトに近付いた。
「いや、親しみやすいっていうか…、いい意味でだよ、うん。」
そういうとキリトは空へと逃げた。
『あ、逃げた』
「さ、そんなことより、さっさとアルンまで飛ぼうぜ!陽が暮れちゃうよ!」
「あ、こら待ちなさい!」
リーファとモモもキリトを追いかけるように飛び立った。