circus -第一幕-
□#09 黒と藍の剣舞 U
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私もアスナもメニューウィンドウを操作して次々と食材を並べ、料理専用のナイフで食材をタップして切っていく。
「本当はもっと手順があるんだけど…、SAOの料理は簡略化されすぎてて、つまらないわ。」
アスナは手際よくラグーラビットを調理し、オーブンに鍋をセットした。
「モモの方はどう?」
『あともうちょっとだよ。』
ラグーラビットのシチューができるまで私は付け合わせのサラダやスープを仕込んでいた。
≪チン≫
軽快な音と共にできたシチューにキリトは思わず鍋の中を覗き込んだ。
≪ごくり…≫
≪コンコン≫
『トウリかな?アスナ見てきてくれる?シチューは私がやるから。』
私がウィンクしていうとアスナは若干頬を赤らめて"もー!"と言いつつも玄関へと向かって行った。
「お、いい匂いじゃん!」
やってきたのは予想通り、トウリだったようで装備も解かずにキッチンへと入ってきた。
「その前にその恰好をどうにかしなさいよ。」
「お、そうだった。」
トウリは羽織っていた上着や武器を解くとキッチンの隣のリビングダイニングにある椅子へと座って待機した。