circus -第一幕-

□#06 幻の復讐者T
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ヨルコさんがポリゴンの欠片となってしまったのは、見なくても音で分かった。



「モモ!トウリ、アスナ!後は頼む!」



『キリト!深追いはダメ!』



そんな私の言葉など届かず、キリトは窓から飛び、隣の家の屋根を伝って走って行ってしまった。



『トウリはキリトを追いかけて!アスナはシュミットさんをお願い。』



「モモは!?」



『私はヨルコさんが消えた場所を見てくる!』



そういって私はヨルコさんが散っていった地面まで下りて行った。



そこにはギルティソーンと似たような形状の短剣が一本残っていただけだった。




街の教会から鳴る鐘の音だけが空しく響いていた。





――――




数十分後、戻ってきたキリトに私は問いかけた。



『それでどうだったの?』



「ダメだ。テレポートで逃げられた…。宿屋の中はシステム的に保護されている。ここなら危険はないと思い込んでいた…。くそっ…」



憤りをあらわにするキリトに、私は小さくため息をついた。



「あのローブはグリセルダのものだ…。あれはグリセルダの幽霊だ…ッ、俺たち全員に復讐しに来たんだッ!ははっ…、幽霊なら圏内でPKするくらい楽勝だもんなッ、アハハッ…アッハハッハハ…」



狂ったように笑うシュミットに私たち4人は顔を見合わせた。
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