circus -第一幕-
□#03 月夜の踊り子
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あれから数日。
私とトウリはコンビを組んで最前線まで行くようになった。
今日も次の階層へ行くための迷宮区へと潜り込んでいた。
迷宮区に近い街の宿屋にて食事を摂っていると、トウリが神妙な顔つきで私を見てきた。
『な、ど、どうしたの?』
「あのさ、モモ。俺らでギルドを作らないか?」
『ギルド?』
「ああ。俺のフレンドに声を掛けてサーカス団を作るんだよ。ぜひモモにも入ってほしいんだ。」
『サーカス団…』
「お前のナイフさばきを披露すれば、好評だって!」
『じゃあ…、入ってみようかな』
トウリの勢いのままに私はトウリが提案してきたサーカス団ギルド≪circus≫へと入団した。
トウリと私を合わせて、6人のギルドを立ち上げた。
まずは第一層の主街区まで転移門を使って戻って、活気に満ち溢れた酒場でショーを行うことになった。
私は最初自分自身の装備を作ったこともあり、ギルドの他の団員の衣装も担当することになり、メキメキと裁縫スキルが上達していった。
金色で縁取られた仮面をつけて、トウリや私たちは全力でショーを演じた。
私のナイフさばきの演技も好評で終わった後にはたくさんの拍手に包まれた。