ヤマトヒメ

□No.12 順位
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後方で大爆発を起こしたのは、緑谷くんだった。




最初の関門で立ちはだかったロボインフェルノの装甲みたいなものを持って、爆風を使って一気に先頭へと距離を詰めていった。




「≪A組緑谷、爆発で猛追――ッつーか!抜いたぁああああ!!≫」




爆破の勢いは凄まじく、あっという間に先頭で争っていた轟くんと爆豪の頭上を飛び越えていった。





「デクぁ!俺の前を行くんじゃねぇ!!」




「≪元先頭の二人、足の引っ張り合いを止め、緑谷を追う!共通の敵が現れれば、人は争いを止める!争いはなくならないがな!!≫」





「何言ってんだ、お前。」





緑谷くんの猛追によって、他の生徒にも火が付き、皆、一気にスピードアップをした。





「≪緑谷、間髪入れず後続妨害!なんと地雷原即クリア!イレイザーヘッド、お前のクラスすげえな!どういう教育してんだ!?≫」





「俺は何もしてねぇよ。奴らが勝手に火ィ付け合ってんだろう。」





「≪さァさァ、序盤の展開から誰が予想できた!?≫」



「無視か。」




「≪今一番にスタジアムへ帰ってきたその男――…、緑谷出久の存在を!!≫」








『(緑谷くんが一位か!せめて上位に入っておきたい…!)ちょっと心配だけど…!』





私はプレゼントマイクの実況を聞きながら、緑谷くんが上手く轟くんと爆豪を妨害して一位でゴールしたことを知り、少し焦りを感じた。




<バチバチッ>




足を止めて、左腕から鞭剣を一本創り出すと、"ギャッ"という金属が擦れあう音と共に剣を展開させ、地雷を踏まない最小限の範囲内で体をひねって反動をつける。






『前の人、ごめんなさい!!』





人に当たらない、コースの端を狙って、一直線に鞭剣を振り下ろした。





<BBBOOOOM!!>






鞭剣が叩きつけられたことよって、複数の地雷が連鎖の様に爆発を起こした。






その爆風で前を走っていた生徒は足を止める。





『(爆破をさせてしまえば、そこはもう安全圏!)』





すぐさま鞭剣を消して、先ほど鞭剣で叩きつけた直線を走った。





地雷を気にせず走ったことと、爆破の衝撃波で何人かの足止めに成功したからか、スタジアムにゴールした時には、少し順位が上がっていた。
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