ヤマトヒメ

□No.8 オールマイト
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「平和の象徴はてめぇら如きに殺れねぇよ。」





轟くんの氷結によって、手が緩んだのか、オールマイトが脳みそ丸出しの敵から逃れ、私たちの近くへと移動してきた。






「出入り口を抑えられた…こりゃあ、ピンチだなぁ…。」





「このウッカリ野郎め!やっぱ思った通りだ!モヤ状のワープゲートになれる箇所は限られている!そのモヤゲートで実体部分を覆ってたんだろ!?そうだろ!」





『もし全身がワープゲートなら、最初の時"危ない"なんて言わない筈…』





爆豪に続いて、私も仮定したことを話して、黒いモヤの敵をじろりと睨む。





「ぬぅ…ッ」




「っと、動くな!"怪しい動きをした"と俺が判断したらすぐ爆破する!!」




「ヒーローらしからぬ、言動……」




敵にいてもおかしくない、顔と言葉で黒いモヤの動きを封じた爆豪。






「攻略された上にほぼ全員無傷…、すごいなぁ…最近の子供は…。恥ずかしくなってくるぜ、敵連合…。

脳無、爆発小僧をやっつけろ。出入り口の奪還だ。」





身体にたくさんの手を付けた敵連合の頭は、状況的に不利なはずなのに、動揺することなく、脳が剥き出しの敵に指示をする。





「「「!!!」」」




すると、轟君の氷で動けなかったはずの、脳無と呼ばれた敵が、身体を覆う氷をもろともせず、動き始めた。





右半身が凍っているというのに、無理矢理動かしたものだから、奴の半身はボロボロに割れてしまった。







だが、奴は動いた。







「体が割れているのに…、動いてる!?」






「皆下がれ!なんだ!?ショック吸収の個性じゃないのか!?」







「別にそれだけとは言ってないだろう。これは"超再生"だな。
脳無はお前の100%に耐えられるよう改造された超高性能サンドバッグ人間さ。」






めきめきと筋肉や肉が再生していくのは、不気味としか言いようがなく、気分が悪くなる。





気持ちの悪さを唾と一緒に飲み込み、唇を噛みしめると、ひたすら目の前の敵に集中する。







「まずは、出入り口の奪還だ…。行け、脳無。」






<バッ!!!>






『(速い!!!)』






私が気付いた時には、既に脳無は数歩踏み出しており、その足先は黒霧と呼ばれていたワープゲートの個性をもつ敵を抑えている爆豪だった。






<ドカァンッ!!!!>







「かっちゃん!!」





『うぐっ…』






脳無が繰り出したパンチはオールマイトに匹敵するほどのもので、凄まじい爆風が私たちを襲った。
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