ヤマトヒメ
□No.4 ぶつかる思い
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――雄英高校ヒーロー科のカリキュラムは午前が必修科目・英語などの普通の授業。
「じゃ、この英文の内、間違っているのは?」
「「『(普通だ…。)』」」
「おらエビバディ、ヘンズアップ!盛り上がれーッ!!!」
「(くそつまんね…。」
「(関係詞の場所が違うから…4番!)」
ヒーローになるための学び舎といえど、れっきとした国立の高校のため、普通の高校と同じように数学や英語を学ばねばならなかった。
――昼は大食堂にて一流の料理を安価で頂けるという。
ここ、雄英高校の食堂ではクックヒーロー、ランチラッシュが料理の腕を奮っており、その味は格別らしい。
しかし、命は今朝も母からお弁当を貰っていたため、利用したことはない。
――そして午後、ついにヒーロー基礎学の時間がやってきた。
「わーたーしーがーッ!!普通にドアから来たッ!!!」
「オールマイトだ!すげぇや、本当に先生やってるんだな…!」
「銀時代のコスチュームだ…!画風違い過ぎて鳥肌が…」
銀時代のコスチュームに身を包んだオールマイトが現れた。
教壇に向かう、足取りは軽く、ルンルンと音符が飛んでいそうなほどだった。
「ヒーロー基礎学!ヒーローの素地を作る為、様々な訓練を行う科目だ!単位数も最も多いぞ!
早速だが、今日はコレ!戦闘訓練!!」
グッと体を縮めてから、派手に掲げたカードには"BATTLE"と表記されていた。
「戦闘…!」
『(戦闘か…。)』
私は"戦闘"という単語に少し顔を顰めた。
「そしてそいつに伴って…こちら!!」
<ガコッ>
「「!?」」
「入学前に送ってもらった"個性届"と"要望"に沿ってあつらえた、コスチューム!!」
「おおお!!」
今度は"コスチューム"というヒーローには必要不可欠な装備に教室中から歓声が上がる。
「着替えたら、順次グラウンドβに集まるんだ!」
「「「はーい!!!」」」
私も壁から飛び出してきた棚からコスチュームを取り出し、更衣室に向かった。
――更衣室
「うわーっ、ヤオモモのコスチューム大胆!!」
「本当はもっと露出を増やしたかったんですけど…、却下されてしまったようです…。」
残念そうに自分のコスチューム姿を見下ろす、八百万さんに対して、私も自分のコスチュームを見た。
八百万さんほどではないが、私もパツパツのアンダーウェアに背中に大きく穴が開いていたりしている。
個性を使用するにあたって、ある程度の露出を確保しないと、いちいち服を破くことになってしまうし、武器を取り出すのも時間がかかってしまう、ということを要望に書き、サポート会社に託したのだ。