circus -第二幕-
□#05 猛炎の将
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「ほう、よく生きていたな。」
「なんだよ、さっきの攻撃は!」
キリトは果敢にユージーン将軍に詰めていくも上手いように受け流されてしまった。
何度か攻防一体の状態が続き、再びキリトの剣がすり抜けられキリトにダメージが入ると、キリトはユージーン将軍から距離を取った。
「効くねぇ…。もう30秒経ってんじゃないのかよ。」
「悪いな。やっぱり斬りたくなった。首を取るまで変更だ。」
「この野郎…、絶対泣かせてやる!」
再びキリトとユージーン将軍が斬りつけ合いを始めると、リーファの隣にいたサクヤが口を開いた。
「厳しいな…。プレイヤーの技術は互角と言えるが、武器の性能が違い過ぎる…。」
「それでも…それでもキリト君なら…」
『キリトなら大丈夫だよ。』
「えっ?」
『大丈夫。』
不安気に上空で戦うキリトを見つめていたリーファにモモは同じく空を見上げながら自信ありげに答えた。
キリトはユージーン将軍の猛攻に次第にHPをすり減らしていった。
が距離を取ろうと離れた瞬間、追いかけてきたユージーン将軍に向けて魔法を放った。
それは黒い煙幕の魔法で一気に戦いを見守るモモたちの元まで煙幕が届いた。
「ちょっと借りるぜ。」
『うん。勝ってね。』
するとモモのすぐ後ろをキリトが通り、ちゅっと軽くモモの頬にキリトはキスすると、モモの刀を抜いてった。
「時間稼ぎのつもりかぁッ!!!」
業を煮やしたユージーン将軍が剣を振ると一気に煙幕が晴れた。
煙幕が晴れてもそこにキリトはいなかった。
「まさかあいつ逃げたんじゃ…!」
「そんな訳ない!」
『キリトは逃げたんじゃない。隠れたのさ。』
ケットシー陣営から漏れた言葉にリーファとモモがそれぞれ反応した。
「モモ、キリト君が隠れたって…?」
『すぐに分かるさ。』
リーファが不安気に空を見つめていると、遥か上空から風を切る音が近付いて来た。
太陽を背に降ってきたのはキリトだった。