circus -第二幕-
□#05 猛炎の将
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「ッち、うぉおおおお!!」
「でぇやぁあああ!!!」
キリトが剣を突き出した瞬間、またも魔剣グラムによってすり抜けられ、もう少しでユージーン将軍の剣がキリトの首元を斬ろうとした瞬間、キリトはもう一本の剣で弾き返した。
その剣はモモの剣で先ほどの煙幕を使った時に拝借したのはモモの刀だった。
「はぁああああ!!」
キリトは二刀流で次々とユージーン将軍を斬りつけていく。
≪ボカァアアアンン!!≫
ユージーン将軍の炎の壁が爆発し、キリトは少し吹っ飛ばされた。
「落ちろぉおおおッ!!!!」
ユージーン将軍の攻撃を避けたキリトは自身の大剣とモモの刀をユージーン将軍に突き刺した。
「うぉおおあああ」
「はぁあああああ!!!」
ユージーン将軍も必死の抵抗をするも、キリトは再び連続で斬りつけた。
途中、ユージーン将軍の魔剣グラムも弾かれ、いよいよユージーン将軍は丸腰となってしまった。
最後はモモの刀でユージーン将軍は真っ二つに切り裂かれて、爆発した。
遠くに飛んでいく中、ユージーン将軍はリメインライトとなった。
――――
「見事!見事!」
「すごいヨ!ナイスファイトだヨ!」
キリトの勝利にシルフ、ケットシー両陣営や、サラマンダーも感心していた。
――――
モモがユージーン将軍のリメインライトに向かって蘇生魔法をかけると、ユージーン将軍は腕を回したり、首を傾けたりして体を伸ばした。
「見事な腕だな。俺が今まで見た中で最強のプレイヤーだ、貴様は。」
「そりゃ、どーも。」
「貴様のような奴がスプリガンにいたとは…。世界は広いということか。」
「俺の話、信じてもらえるかな?」
「………。」
緊迫した状況の中、サラマンダー部隊から声が上がった。
「ジンさん、ちょっといいか。」
「カゲムネか。なんだ。」
「昨日俺のパーティーが全滅させられたのはもう知っていると思う。」
「ああ。」
「その相手がまさにそのスプリガンなんだけど、確かに連れにウンディーネがいたよ。そこの嬢ちゃんとは違うね。」
「そうか…、そういうことにしておこう。確かに今、スプリガンとウンディーネと事を構えるつもりは俺にも領主にもない。この場は引こう。
が、貴様とはもう一度戦うぞ。」
「望むところだ。」
そういってキリトとユージーン将軍は拳を合わせた。