circus -第一幕-

□#09 黒と藍の剣舞 U
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食卓に並べられたものを私たちはものの数十分で食べつくしてしまった。



「「「『ふぅ……。』」」」



「S級食材なんて2年も経つのに、初めて食べたわ。今まで頑張って生き残っててよかった〜」



『そうだね〜…、今までで一番幸せかも…』



食後のハーブティーを飲みながら、皆一息ついていた。




「不思議ね…、なんだかこの世界に生まれて、今までずっと暮らしてきたみたいな、そんな気がする。」




「俺も最近、向こうの世界のことを思い出さない日があるな…。」



「トウリだけじゃないさ。この頃はクリアだ、脱出だって血眼になる奴が少なくなった。」



『今、最前線で戦ってるプレイヤーなんて500人いないと思うよ…。』



「皆馴染んで来てる…、この世界に。
…でも、私は帰りたい。だって、あっちでやり残したこといっぱいあるから。」


「うん、そうだな。」



「俺たちが頑張らなきゃ、サポートしてくれてる職人クラスの連中に申し訳が立たないもんな。」




「あ、ああ…、やめて。」


「ん?なんだよ。」



トウリのいうことを聞いていると、急にアスナがトウリに向かって手で制した。




「今までそういう顔した人から何度か結婚を申し込まれたから。」



「なッ!」


アスナの言葉にトウリはいかにも落ち着きをなくして赤く染まった頬を隠すようにお茶をゴクリと飲み干した。
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