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□【吊真】君はオレの俺のおれのオレのもの
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真昼君の笑顔が好きだった。
優しくて、純粋で、とてもじゃないけどオレには真似できない笑顔だ。
その笑顔を、オレに向けてほしいと思った。……いや、違う。
オレ以外には笑いかけないで、オレにだけ君の表情を見せてほしい。
そっちが本当の思いだ。
でもそんなことしたら、真昼君の周りのひとは皆居なくなってしまう。
だから望んだらダメだ。
ああでもオレ以外は見ないでほしいなぁ
そんな二つの感情の間で葛藤していると、後ろから真昼君の声がした。
多分、オレを探してる。
でも今のオレには、そういう感情を押さえて普通に笑える自信がない。
だからどうかドアを開けないでくれ。
という願いは虚しくも、ガチャっという音と共に崩れ去った。
「吊戯さん、そんなところで何してるんですか?」
心配そうに、近づいてくる。
やめて来ないで
今真昼君が来たらオレは大変な事になってしまう。
「…来ないで」
オレの異変に気がついたのか、近づく足がいっそう早まる。
「ッ、来ないでって言ってるでしょ!?」
真昼君がビクッと肩を揺らす。
オレが真昼君に何かしてしまうのではないか、という恐怖から、ついて怒鳴ってしまった。
「…どうしてですか」
その幼さの残る目に見つめられ、オレの隠した思いが顔を出した。
「だって、真昼君の全部、オレのものにしたいんだよ?」
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