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□【クロ真】風邪っぴき主夫と怠惰な吸血鬼
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「あっれー、にーさんじゃないっスかー!」
クロが真昼の買い物に連れ出され、真昼を待つついでに自販機で飲み物を買っていると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「なーにしてるんスか?」
後ろからひょこっと手元を覗かれる。
別に珍しいもんは買ってねーんだけどなーと思うが、まぁこいつの事だ。冷やかしにでも来たんだろう。
「そーいえばにーさん、まだ真昼に言ってないんスか?」
唐突に言われた一言に、ビクッと肩が揺れる。
「まだだけど…」
「はぁ!?ほんっとにーさんはウブッスねー!もう3年たつッスよ!?」
そう、想いを自覚したのは三年前。
その時どうしたら良いのかまったく分からず、ロウレスやリリイに相談しに行っていたのだ。
クロがこうなったのは一回目。いわゆる『初恋』というものだ。
さらにクロは、今までまったく他人に興味をもたず、誰とも関わっていなかったのもあり、なかなか想いを伝えられずにいた。
そんなクロをロウレスたちは励ましてきたが、まさか3年間も言わずにいるとは思わなかったらしい。
いい加減痺れをきらしてきたのか、ロウレスがとんでもない事を言った。
「あー!もう!!そんなに気になるんだったら襲っちゃえばいいじゃないッスかー!」
「…は?」
一拍置いて出た間抜けな声。
それは単語のせいでもあり、どうやったらそういう考えになるのか疑問だったせいもある。
「というか、なんでオレが真昼を襲わなきゃいけねーんだよ…」
そう言った数秒後、背後から誰かが駆け寄る音がした。
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