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□【国露】名前
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「今思ったんだけどさー」
隣に居る御国が口を開く。
「修平さ、俺が『修平』って呼ぶと『露木です』って訂正してるクセに、俺の事は『御国』先輩って呼んでくるよねー」
何で?と不思議そうに聞いてくる御国の発言に、露木は飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになった。
「なっ…何でって言われましても…」
げほごほ、と少しむせながら、答えたくなさそうにこっちを見上げる露木に、御国は拍車をかける。
「ねぇ、何で?」
本当は、御国を名前で呼ぶのが自分のものになったみたいで少し嬉しかったり、御国に下の名前で呼ばれるのが恥ずかしかったりするからなのだが、それを言うと御国がさらに調子にのって面倒な事になってしまいそうなのでやめておく。
「別に…それで慣れてるだけですよ。」
何なら今からでも変えましょうか?と露木が言うと、御国の表情に少し影がかかったように見えた。
それがなぜなのかはわからない。
けれど、そのすぐ後には御国はいつも通りヘラヘラと笑っていた。


修平、俺はさ。お前の事が好きなんだ。
修平が名前で読んでくれるたび、嬉しくって。
もしかしたら………なんて期待しちゃったけど。
違ったみたいだな。
ああ、あと何回お前が俺の事呼んでくれるのかな。
俺が居なくなるのはまだもうちょっと先だろうけど。
もうちょっと、もうちょっとだけ、甘えてても…いいよな?


END
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