空を自由に飛べ

□空を自由に飛べ3
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潔子が体育館の扉を開けると、そこには何十人もの男子高校生がいた。どうやら今はコートで三対三のスリーメンをしているようだ。

「お、清水」

得点板の前にいた黒いジャージを着た男子が体育館の中に入った我が部のマネージャーに気付き、近付く。

「その人は?」

そして当然のようにその清水の後ろにいる見知らぬ人を見つける。

「ああ、初めまして。あたしは苗字名前と言ってね。荷物を届けに来たんだ」

両手に持った段ボールを見せるかのように少し上に持ち上げる。

「あ、わざわざありがとうございます!」

名前の持っている荷物に気付いた少年は驚きながらも素敵な笑顔を見せてくれた。

(おお、今時の若者にしてはとても珍しい眩しい笑顔)

少年の笑顔に名前は何かが浄化された気分だった(冗談だが)。

「本当はサインもらったから荷物だけ預けてお金は後日もらおうと思っていたんだけど、ここのマネージャーである清水さんに見ていかないかと誘われてね。こんな美少女の誘いを断るわけにもいかないからね、お言葉に甘えちゃった」

「そうだったんですか」

こちらへどうぞ、と。

おそらく今はいない顧問のために用意されたベンチに名前を案内する。そこに名前は遠慮することなく座り、今行われている試合を見る。
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