最強を目指して
□最強を目指して4
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「……お疲れ様、ネイティ」
「トゥー!」
「きみ、だいじょう……」
「お姉さん凄い!」
どこか興奮したようにユリーカは身体をナマエに乗り出す。
「ありがとう、でも凄いのはネイティの方だよ」
冷めやらぬ興奮のまま喋っているユリーカをつれ、路地裏から出る。
気づけばもう日がだいぶ傾いていた。
「あたしはユリーカ! お姉さんの名前は?」
「私はナマエ。この子はネイティだよ」
「トゥートゥー」
「本物のネイティって初めてみた! 触ってもいい?」
「いいけど、家に帰らなくていいのかい? おうちの人も心配していると思うけど」
「あ」
どうやら頭からすっかり抜けていたようだ。
まああんなことがあった後じゃ仕方がないだろう。
「じゃあ今のうちに言っておかないと」
「?」
小さく呟くユリーカは何かを決心したようだったが、何のことかわからなかったナマエは首を傾げる。
「ナマエさんキープ! お兄ちゃんをシルブプレ!」
「え?」
「ユリーカ、まだ旅に出ることはできないけど、もし旅に出れるようになったらナマエさんのようなトレーナーになりたい! そしてナマエさんみたいな人がお兄ちゃんのお嫁さんになってくれると嬉しい!」
「………………うん?」
途中から話が変わった気がする。
「じゃあナマエさん、お兄ちゃんのこと考えておいてね!」
と。
言うだけ言ってユリーカは走り去ってしまった。
なんだか嵐が去った気分だった。
「……てか、『考えておいて』ってお兄さんのこと全く知らないんだけど」