最強を目指して

□最強を目指して5
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ミアレシティにて一波乱あったものの、ナマエは一つ目のバッチを手に入れるべく、ハクダンシティへと向かっていた。

「確か、この森を抜けたところだったよね」

「トゥー」

ネイティを肩に乗せたまま歩く。たまに出てくる好奇心旺盛な野生のポケモンをネイティはあっさりと倒していく。

そしてもう何度目かになる野生のポケモンが現れた。

青い一輪の花の上にしがみつくように乗っているポケモン。

「え、あれポケモンなの?」

今までに見たことのないポケモンにナマエは声を漏らす。プラターヌ博士からもらったポケモン図鑑を開く。

『フラベベ いちりんポケモン
花の秘めた力を引き出して自在に操る。フラベベが持つ花はもはや身体の一部だ』

「へえ、フェアリータイプね。初めて聞いた。カロス地方だけなんだろうか」

初めてみるポケモン、さらに初めてのタイプに魅力を感じながらもナマエは挑戦する気満々だった。

「フラッ!」

それはどうやら相手のフラベベもやる気満々のようだ。

「んじゃ、初めてのタイプには――初めてのポケモン!」

ナマエが出したのはフォッコ。

「フォッコ!」

「初めてのバトル、頑張ろっか」

フォッコ自身にも気合が入っているのか身体を震わせる。

「フォッコ、ひのこ!」

「フォッ!」

フォッコから繰り出されたひのこはしかしフラベベによって綺麗に避けられた。

「フラッ!」

フラベベはつるのむちを繰り出してきた。

「フォッコ、噛みついて!」

「フォッコ!」

自分に向かってきたつるのむちを避け、そのむちをフォッコは小さな口で噛みつく。

「そのまま投げ飛ばして!」

「フラッ!?」

空中に投げ出されたフラベベは体制を整えようとするが、うまくいかないのばたばた暴れるだけだった。

「フ、フラッ」

「フォッコ、もう一回ひのこ!」

「フォォォォォッコ!」

フラベベは体制を戻す前に喰らい、倒れてしまった。

「うん、初めてにしてはよくできたかな。よく頑張ったね、フォッコ」

「フォッコ!」

褒められて嬉しいのか、フォッコは尻尾を全力で振る。

「フ、フラ…………」

気を失っていたフラベベは、しかし思ったより早く意識を取り戻した。

「お、目が覚めた? 大丈夫?」

「…………フ、フラアアァァァァアアァァッ」

急にその小さな目に涙を浮かべ、フラベベは泣きだしてしまった。

「えっ」

「トゥ!?」

ネイティは驚きのあまりナマエの肩から転がり落ちてしまった。

「えっと、どうしたんだい、フラベベ? どこか痛い? いや、バトルした後なんだから負傷したところはあるかもしれないんだけれども」

あまりにも唐突な出来事にナマエは冷静さを失っていた。
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