蓮和物語

□第1話
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「あはは。賑やかだねぇ、護」

「ああ、そうだね。楽しそうで何よりじゃないか」

書類の仕事を進めていた由衣は顔を上げ、隣で同じく書類の仕事をする護に笑いかけた。

同じ部屋のソファでは勤務時間内に関わらず、他隊の副隊長2人が騒いでいる。

「ほんっと、うちの隊長厳しすぎて嫌になっちゃう!」

「おうおう。わかったから、出て行け」

「ひっつんきっびしーい!」

「そうだ。あいつは厳しい。だから出て行け!」

「あーあ。由衣隊長みたいに優しい隊長がよかったなぁ〜」

「いいだろ!だから出て行け!!」

「あたしは剣ちゃんがいい!」

「お前はそれでいい。だから出て行け!!!」

「更木隊長自身が自由だからよ」

「よしわかった!」

突然机をバンっと叩き、ソファから勢いよく立ち上がった朝陽。

「何よ?いきなり立ち上がって」

「にっしー?」

「護さん!頼んだ!!」

「あんた自分でなんとかしなさいよ!!」

「そうだよ!!にっしー!」

「うっせ!!おめェらの事だろうが!!!出てけ!!!」

「まぁ、そう言わずに私の、隊長の愚痴に付き合ってよ」

そう言う松本の背後には鬼の形相の日番谷。しかし彼女は自身の上官の存在に、気付いていない。

「へぇ…?誰の愚痴だって?」

「だぁから!私の隊ちょ…」

表情を徐々に強ばらせる松本は、ゆっくりとぎこちなく振り返る。

「連れて来た」

いつの間にか開いていた扉にもたれた美衣奈がそう言った。

「た、た、た、隊長!!?」

「松本ォォオオオオオ!!!!今月てめェは減給だ!!!!」

怒る日番谷に首根っこを掴まれた松本は、涙を流しながら訴える。

「酷いですよぉ。たいちょー…」

「知らん!!サボったてめェが悪い。さっさと帰って仕事するぞ!!」

「えぇ!?勘弁してくださいー!!」

松本を引き摺りながら部屋を出て行く日番谷は「邪魔して悪かったな」と一言残す。

「…次は、斑目か綾瀬川を呼んでくればいいんだな?」

「おう、頼む!」

湊が外に出ようとすれば、護の静止がかかる。

「その必要はないよ。草鹿副隊長はもういないから」

部屋の中を見渡すと、蓮和隊の5人以外は誰もいない。

「あ!あいつ、松本みたいになるのが嫌だから逃げたな!」





これが蓮和隊の日常。




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