蓮和物語

□第4話
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「浅野啓吾とユアン・マクレガーは似ている!松本人志とヴァンセント・ギャロぐらい似ている!ハイ!リピートアフターミー!」

「ア……ア……アサ……アサノ……アサノタダノブ!」

「ああッ惜しい!ていうか寧ろOK!!」

『じゃあ次あたし!

んーっとね〜……………………』

「……考えてから言えよ」

「考えてなかったのかー!!」

わちゃわちゃとシバタの魂が抜けたインコを囲んで休みの時を過ごしていた。
シバタが抜けたせいであまり喋らなくなったインコ。
チャドは朝起きたらこうなっていたというので記憶置換であろう。

「皆さんおはよう!」

爽やかなキラキラ笑顔でやって来のはお嬢様キャラのルキア。
朝から家にいなかったのに一体どこに行っていたのだろう。

「珍しいね遅刻なんて」

「ええちょっと家の用事で……

ところで黒崎くん……ちょっといいかしら?」

「あ?何だよ?用事があるならここで……ィうッ!?」

ドスッと笑顔で一護の鳩尾に拳をいれ、ぐったりとした彼を慌てて支えるふりをする。

「だ……大丈夫?黒崎君!
大変保健室に行かなくちゃ!」

そういって自分よりも大きな一護をズルズルと引きずって教室をあとにしたのだった。










「イやっほーーい!!おっ弁当だあーっ☆」

「まーたこの子はお弁当ぐらいでそんなにハシャがないの!」

4時間目の授業が終わった途端にはしゃぎ出した織姫。
何時ものメンバーで集まっていると視界に鞄の中からお弁当を取り出している最中の由衣が入ってきた。

「由衣〜〜!お弁当一緒に食べよ〜!」

「珍しいわね〜アンタが由衣を誘うなんて」

「だって由衣っていっつも黒崎くん達とお弁当食べるから今日ぐらいあたしが先取りするの♪」

『もっちろん!』

織姫に誘われて嬉しそうに笑うと、彼女もそれにつられてぱぁっと満面の笑みを見せた。

「あれ?由衣今日は井上さん達と?」

『あ、うん』

「一護も朽木さんもいないみたいだしね」

『う〜ん』

「女の子の話に入れなくなったらこっち来なよ
僕達いつでも大歓迎だから」

『……水色あたしは女の子だよ』

啓吾達の元へと歩いていく水色の言葉がグサッと突き刺さる音がしたような気がした。
織姫の隣に座ってお弁当を広げた時。

「黒崎くんの匂いがした!」

「した!って何言ってんの犬じゃあるまいし!
ここ3階よ!匂いがしたとしてもこんな所から一護が入ってくる訳ないでしょ!」

『織姫は間違ってないよ』

「何それ双子の何とかっていう……『ほら』」

「ここ……1年3組であってるよな?」

3階の教室の窓から姿を見せた一護。
いや一護ではなく入れ物は一護の中身は彼じゃない何か。

「あ……ッああああああんた!今どうやって上がってきたのよッ!」

「どうやって……?
今見てたろ?跳んで上がってきたんだよびっくりしたか?」

「………………!!」

「なあスゲーか?びっくりしたか?」

一護じゃない一護に教室中が騒めき、騒ぎ出す。
彼は勿論注目の的である。
そして誰も一護が一護じゃない事に気が付かない。


──一護の霊圧はルキアと何処かにあるからこれは……義魂丸かな?──


由衣は義魂丸の彼を見据える。

義魂丸の彼はクラス中の注目が自分に注がれている事と、このクラスの女子のレベルの高さにニヤついていた。

女子達を見渡していると1人に目が釘付けになる。

豊満な胸に心奪われ、その胸の持ち主─織姫の目の前に降り立つ。

「初めまして美しいお嬢さん
僕に名前を────教えてくださいな」

そう言って織姫の手を取り手の甲に口付けた。
クラス中が驚きに目を見開き絶叫する。

「ちょ……ッ一護あんた!自分が何してるかわかってんの!?
ジョーダンじゃすまされないわよ!!
さっさと織姫から離れなよね!!」

織姫の隣に立っていた竜貴が怒鳴る。
その時由衣の頭にある方程式が浮かび上がった。

竜貴が怒る+竜貴が殴る=一護が危ない

今の彼は何をしでかすかわからない。
ここは早急にクラスから飛び出した方がいい。
思い立ったらすぐ行動。由衣は走って一護の体をぐいっと引っ張り窓から飛び降りる。

「うおおおおおい!!お嬢ちゃん、お嬢ちゃんっ!!」

あまりの不意打ちに驚きを隠せない義魂丸の彼。
それと……

「おい見たか黒崎の妹のやつ窓から飛び降りたぞ」

「人並外れた運動神経してるけど……」

「ちっこい体に隠されたパワー的な?」

驚く事がありすぎてリアクションが小さくなってしまった1年3組のクラスメイト。
今日から並大抵の事では驚けない自信がある。

『君誰?』

「…………」

『ただの義魂丸じゃないよね?』

「っ!」

校庭で掴んでいた彼を離してやった。
質問に答えずにただ顔色を変えていきなり走り去ってしまった。
その時の彼の顔は恐怖そのもの。
自分の事を拒絶したように走っていってしまった。

『義魂丸っ!!』

その背中を追い掛ける為に由衣も死神の姿となり走り出した。










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