お題SS

□仲直り
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それは些細なケンカ。

久し振りのデートで、いつもより気合いを入れてお洒落したのに─…。

真島さんが口うるさく、スカートが短いとか、踵が高すぎるとか言うもんだから、私もさすがにイラついて

「真島さんお父さんみたい!折角お洒落したのに!もういいっ!」

「勝手にせえっ!」

私は、繋いだ手を振りほどいて、人混みの中を駆け出した。




公園のベンチに座ると、溜め息をついて項垂れた。
履き慣れない高いヒールで走ったせいか靴擦れを起こしていて、皮が剥けて血が滲む。

「はぁ…最悪…イタタっ」
踵のある靴なんて履いてこなきゃ良かった。



「──ったく、なんでその踵で走れんねん」

聞き慣れた優しい声に私は顔を上げた。

じんわりと額に汗をかいている真島さん。

「─探してくれてたんだ」
「当たり前やろ」
「─ごめんね」

真島さんはいつも優しい。

デートの時も、背の低い私に目線を合わせてくれたり、歩く歩幅を合わせてくれる。
いつだって私の事を考えてくれてる。

「すまん、うるさく言うて…」
「私こそごめんね」

「でも頼むから、お父さんみたいは勘弁してやぁ」
私はクスクスと笑うと「うん」と頷く。

「ほれ、行くで」

真島さんはそう言うと、私の前にしゃがんで背中を見せる。

私は迷わず愛しい人の背中に抱きついた。


確かに恋だった様より〜


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