Cry of Fear

□そこにある恐怖
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水の中を進んで、どんどん歩いて行って。
やっと外に出られたかと思ったら、変なのが道を塞いでいた。手が沢山生えてるアイツは、一体何なんだろう。地図で場所を確認して、それから僕は、少し休もうと思った。勿論あの敵から離れて。地図の下で、座り込んだ。

この世界に来て、5日ぐらいだろうか。経っていると思う。僕は持っていた食料を食べた。そして水を飲んで、ため息をついた。
何故こんな世界に、ずっと居るんだろう。
出口は一体何処だろう。
お化け屋敷だって、出口はあるのに。まるでそこは永久にそれが続くかのようだ。
僕の嘆きは、誰にも通じない。
フードを取り、少し、横になろうかと思った。けれどいつ敵が来るかも分からない。死にたくないから、いつでも緊張していないといけない。精神安定剤を飲んだら駄目だから、飲めないでいる。飲みたいな。安定させたいな。色々な葛藤が生まれるこの世界。

全く、何処のホラーゲームだよ。

敵は良いよな。僕を殺す事しか、頭にないんだから。あれもこれも、全部幻聴と幻覚だったらいいのに。何故現実何だろう。
僕はただ、家に帰りたいだけなのに。
その日はちょっと遅くなったんだ。病院が終わって、家に帰る途中にちょっとだけ買い物をしようと思ったんだ。気分転換に。その時、友達と言える存在に出会ったんだ。たまには話そうと思って、話していた。そうしたらいつの間にかあんなに時間が過ぎていて。18時ぐらいに病院が終わって、それから晩ご飯だの食べて、21時ぐらいだった筈。なのに事故に遭って目が覚めたら時間はもっと進んでて。
もう、どうして良いかなんてわからなかった。事故に遭って何もなかったから余計に不安だし、あの助けれてくれと言った男は居ないし。
何で僕にこんな運命を背負わせるの。理不尽だよ。
またため息をついた。とても疲れたよ。だからやっぱり、少しだけ寝る事にした。



そしてあれからどれぐらい寝たか分からないけど、起きた。僕に異常はないし、死んでも居ないから、敵は来ていないんだろう。疲れ切った身体を起こし、水を少し飲んだ。
これからどうしようか。もう、進みたくないな。ここで朝が来るまで待ちたいぐらい。けれど待っていたらあの変な腕の奴が動きそうで怖い。まぁ、地面に埋まってるから来ないと思うけど。ここは丁度死角だし。
………母さん、心配してるだろうな。早く家に帰りたい。こんな事なら、友達何かと話すんじゃなかった。
気分転換が大切だよって医者に言われたから、それに従っただけなのに。何でこんな目に……。
もう拳銃を使う事にも慣れたし。持っていたナイフがまさかこんなにも役に立つとは思ってもいなかった。持っていて良かったと思った。
身体がとても怠い。もっとゆっくり休みたい。早く家に帰って寝たい。そんな欲求が生まれた。

僕の生涯なんて、とてもつまらないもの。だから、刺激は欲しかった。けれどこんな刺激は要らない。

なぁ神様、僕は、どうしたら良い?
何をしたら、この世界から脱出出来る?
この悪夢から抜け出せる?
教えてよ。
僕を助けてよ。人間を助けるのが神の仕事でしょう?
なぁ、聞いてよ。頼むよ。


僕は立ち上がり、歩き出した。












END

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