Cry of Fear

□絶望の端で
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映画なら、それで終わって欲しい。
悪夢なら、それで終わって欲しい。
何度そう願った事だろうか。
この現実から。

変な女は出て来るし。かと思ったら死ぬ間際に自分の首に刺すし。
子供が出て来たかと思ったら、良く分からないし。
チェンソー持った何かは居るし。
変な医者も居るし。

けど、何故だろう。こう言った者達に、見慣れてる気がした。
あの怪しい部屋についても、僕は見ていたような気がした。Keep Outと貼られた部屋について、何故か前から知っている様な気がした。

だから余計に怖かった。
その結末を知っている感じで。


何故僕がこんな場所に居るのか、何故こんな世界なのか。少なからずとも、心当たりはあった。そう。過去の捏造だ。こんな世界だったら苦しまずに居られるのかなとか、思った時代(とき)もあった。だって、早い話が、周りが皆ああだったら、自分が正常とか言えたり。逆に周りがこうだから、自分も変じゃないとか、言えたから。けど、ここまで来るとそれさえも分からない。何が正しいかなんて、分からない。僕にどうしろって言うんだ。
これが僕に与えられた運命?ふざけるな。くそっ。
そんな事言っても、この悪夢から逃れる事が出来ず。僕は自暴自棄になりかけていた。たった二日しか経っていないけれど。もう、気がおかしくなりかけていた。平常心と言いながら、平常心を保てない。何故なら、周りが皆こうだから。狂った世界だから。常識とか通じなくて。
これの何処か正常なんだと、神に聞きたい。ふざけた現実を突きつけないでくれ。ただでさえ僕は、今、とても辛いんだから。
こんな戯言、誰も聞いてくれない。こんな世界だから……。そう、何度も自分に言い聞かせた。

この悪夢を終わらせる方法何て、あるのだろうか。
僕には分からない。
どうしたら良いかも、何をしたらいいのかも。
けど確実に分かってる事は、とにかく前に進むと言う事。そうすれば、全てが分かると信じている。
僕のこの嘆きの祈りを聞いてくれるのは、一体誰だろうか。あの医者だったら笑える。けど、この際誰でも良い。この悪夢から救い出してくれ。それが、今の僕の願いだ。
病院通いでも良いから、あの日々に戻りたい。けど、そんな時ふとこんな声が聞こえて来るんだ。こんな世界を望んだのは、お前だろう?って。違う。こんな世界望んでなんかいない。僕が望む世界は、とても静かで……。こんなに、変な生き物が徘徊している世界じゃない。少なくとも今は、違う。何度も、そう自分に言い聞かせた。
それが、今出来る最大のあがきだろうか。
とても虚しい。何故だろう。

あぁ、僕は、一体、どうしたいんだろう。














END

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